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多国籍企、移転価格で国税局に譲歩要請

オーストラリア国税局(ATO)から移転価格操作の調査を受けている複数の多国籍企業が、ATOに譲歩を求めていることが分かった。ATOがスイス系商品取引・鉱山開発グレンコアを移転価格操作の疑いで訴えていた裁判で、連邦裁判所が先ごろ、ATOの訴えを却下したことが背景にある。18日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。

ATOのコンザ副局長によれば、グレンコアに関する連邦裁判所の判決の後、移転価格の調査対象となっているほかの多国籍企業から「自社のケースでも、連邦裁判所の今回の見解が適用できる」として、譲歩を求める問い合わせが増えているという。ただ、同副局長は、グレンコアの裁判では10月1日まで控訴が可能なことに触れ、「控訴するかどうか検討段階にあり、こうした(他社からの)要請には対応できない」と述べた。

ATOはグレンコアの裁判で、同社がニューサウスウェールズ州中部コバー(Cober)に所有する鉱山で産出した銅をスイスの親会社に対して2007年から09年までの3年間、人為的に引き下げた価格で供給したと主張していた。しかし連邦裁判所は、親会社によって支払われた価格は「独立企業の範囲内」であると判断。グレンコアが適正な税金を納めていたとして、移転価格操作には当たらないとの判決を下していた。

■移転価格訴訟、豪は解決早い

一方、経済協力開発機構(OECD)が16日に公表した、多国籍企業の税金をめぐる各国の税当局の訴訟データを見ると、移転価格規制の下で企業を追及する訴訟が圧倒的に多いことが分かった。昨年は、移転価格操作に関する新たな訴訟件数が20%増加し、解決までに要する平均期間も30カ月から33カ月に伸びたという。

ただ、移転価格をめぐる裁判では、1年以内に解決に至るケースも増えており、オーストラリアでは係争中のケースは27件から昨年は19件に減少。OECD加盟国の中でも、オーストラリアは解決までに要する期間が最も短い国の1つとなっている。


関連国・地域: オーストラリア
関連業種: 天然資源マクロ・統計・その他経済

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