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英国で「合意なき離脱」の可能性高まる ジェトロがセミナー

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に関する日本貿易振興機構(ジェトロ)主催のセミナーが24日、東京都内で開催された。みずほ総合研究所・欧米調査部の吉田健一郎上席主任エコノミストは、強硬離脱派のジョンソン前外相が首相となれば、合意なき離脱(ノー・ディール)の可能性が高まると語った。英国のメイ首相は同日、辞意を正式に表明している。

みずほ総研の吉田健一郎氏(左)とジェトロの田中晋氏=24日、東京(NNA撮影)

みずほ総研の吉田健一郎氏(左)とジェトロの田中晋氏=24日、東京(NNA撮影)

離脱期限が先月、10月末までに延期されたが、メイ首相は離脱方針をまとめ切れなかった責任を取って辞任する。今後の焦点は、合意なき離脱となるかどうかであり、英国内の世論調査で残留派が離脱派をわずかに上回っている現状では、残留の可能性は低いという。

吉田氏は、既に英国側では合意なき離脱に向けた準備も進められていると説明。「いきなり崖から落ちるよりもスロープを転がる」というイメージで、もはや、合意なき離脱が、突然の出来事という状況ではないと話す。ただ、EU側での準備が進んでおらず、国境を接するアイルランドやフランスで、離脱した場合の関税手続きなどで混乱が懸念される。

吉田氏は、ブレグジットの欧州経済への押し下げ効果は軽微だとする国際通貨基金(IMF)の試算などを紹介。しかし、英EU間で自由貿易協定(FTA)が結ばれない場合には、輸出全体に占める対英貿易依存が金額ベースで最も高いドイツ、割合ベースで最も高いアイルランドでは影響が出てくるとの見方も示した。

吉田氏は講演後、ブレグジットのアジアへの影響について、「英国とサプライチェーン(部品の調達・供給網)で結ばれているケースが少なく、影響はほとんどない。むしろ米中貿易戦争のインパクトがはるかに大きい」とNNAに対して語った。

■対策は在庫積み増し

ジェトロ海外調査部欧州ロシアCIS課の田中晋課長は、日本企業の対応について講演。ジェトロが今年2月に日本で実施したブレグジットセミナーでアンケート(EU関連事業がある115人が対象)したところ、合意なき離脱に関する対応策を、策定済み・策定中・策定予定のいずれかと回答した割合は46.2%だったことを明らかにした。このうち、最も多かった対応策は「在庫積み増し」の47.2%。一方、「調達先変更」は5.7%にとどまった。田中氏は、ブレグジットで新たに生じる通関手続きや異なる規制はすべて、事業のコスト増要因になると語った。

英国とEUの離脱協定案には、◇離脱清算金(総額約390億ポンド=約5兆4,200億円)の支払い◇在英EU市民(在EU英国民)の地位保全◇来年末までの移行期間の設定◇アイルランド島の国境問題――などが含まれている。合意なき離脱となった場合には、英国で取得した各種免許などがEUで無効になるほか、主にEU側で通関手続きや関税が発生し、出入国管理でも混乱が発生することが予見されている。


関連国・地域: 日本欧州
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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