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日本の石炭火電離れ、豪石炭需要に影響か

オーストラリアから輸出される石炭の41%を占める日本で、石炭火力発電からの撤退の動きが加速している。丸紅が石炭火電の新規開発から撤退することを決めたほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が石炭火電への融資政策を見直す方針を明らかにしたことを受け、オーストラリアの一般炭に対する日本からの需要が長期的に落ち込むとの見方が浮上している。24日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)が報じた。

丸紅は先ごろ、石炭火力発電所の新規開発から撤退するとともに、保有するポートフォリオのうち再生可能エネルギーが占める割合を2023年までに倍増させる方針を明らかにした。一方、MUFGは、石炭火力発電所への貸し付け方針を見直すとともに、石炭火力発電の中でもエネルギー効率の優れた案件に融資を絞る考えを示している。

丸紅の広報担当者はAFRの取材に対し、「発表内容は石炭火力発電事業に関するもので、オーストラリアにおける石炭取引や炭鉱への投資に影響はない」と説明した。

■長期的な需要に影響か

資源業界団体ミネラルズ・カウンシルの石炭部門のエバンス部長は、日本の電力会社が高効率低排出(HELE)技術を用いた石炭火力発電所を新たに30カ所建設する計画を進めていることに触れ、「オーストラリアの一般炭は日本が輸入する一般炭の73%を占め、日本のエネルギー安全保障や経済に貢献している」と述べ、日本やほかのアジア顧客からの需要は、向こう数年間は堅調に推移するとの見方を示した。

ただ、米国のシンクタンク、エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)のバックリー氏は、「新しいHELE石炭火力発電所は老朽化が進む既存の発電所に代わって建設が予定されているもので、これによって日本からの石炭需要が伸びるとは限らない」と指摘。丸紅だけでなく、ほかの日本企業が一般炭から原料炭に投資を切り替えているとし、「ベトナムやバングラデシュ、パキスタン、インドなどからの一般炭需要が近い将来に伸びることは間違いないが、世界のエネルギーシステムにおいて、向こう40年間に段階的に一般炭離れが進むだろう」と話した。


関連国・地域: オーストラリア日本
関連業種: 天然資源電力・ガス・水道マクロ・統計・その他経済

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