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【危機管理】ダッカ事件の教訓忘れるな

小島俊郎の「アジアの危機管理」第1回

2016年7月にバングラデシュの首都ダッカで、日本人を含む20人以上がテロリストによって殺害された事件から2年余りが経過した。同事件以降、邦人が巻き込まれた大きなテロ事件は起きていないが、テロの脅威が過ぎ去ったわけでは決してない。同事件の実行犯らに影響を及ぼしたと考えられる過激派組織「イスラム国」(IS)の勢力は弱まったものの、ISのメンバーがインドネシアやフィリピンなどの東南アジア諸国にも拡散し、テロの脅威は逆に高まっているとも言われる。テロ以外にも噴火や水害などの自然災害、感染症、さらには労務紛争など、アジアに展開する日本企業が直面するリスクは枚挙にいとまがない。想定されるリスクにどう備えるべきか。共同通信デジタル執行役員で、リスク対策総合研究所所長を務める小島俊郎氏が全6回にわたって指南する。