テイクオフ:どんなに大声で叫んでも…

どんなに大声で叫んでも、決して外には聞こえないよ――。入り口でガイドの青年にそう説明され、足がすくむ。西スマトラ州ブキティンギには、かつて旧日本軍が造った地下壕(ごう)がある。閉館間際のため、見学者は私たちだけだった。

ガイドは写真の撮り方もどこかプロフェッショナル。「1、2、3」そう数えてシャッターを押すと、洞窟内の照明が全て落ちた。そこからは彼の独壇場。「ここでは日本軍による大虐殺があった」「刑務所横の台所は死体遺棄場だった」、真偽の程はどうであれ、真っ暗闇の中で話し続けるのだからたまったものではない。

半べそをかきながらやっと出口にたどり着くと、青年は「ここが何のために造られたのか、何人が亡くなったのか、この二つは永遠のミステリーだ」と締めくくったが、私にとっては「なぜ照明が落ちたのか」が最大のミステリーだった。(希)


関連国・地域: インドネシア
関連業種: 社会・事件

その他記事

すべての文頭を開く

千代田化工、マセラ鉱区の予備設計を受注(18:07)

首都空港スカイトレイン、9月に6両編成に(16:20)

中央銀行、追加利上げを検討へ(15:58)

東京海上、東南ア損保2社を428億円で買収(06/20)

80人乗りフェリーが沈没、北スマトラ州(06/20)

【予定】20日 金融政策決定会合の議事要旨公表ほか(06/20)

【訃報】樫尾和雄氏(カシオ計算機会長)ほか(06/20)

【データでみるASEAN】4月新車販売(06/20)

金融派生商品の市場活性化へ 地場取引所、インドネ同業と提携(06/19)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社エヌ・エヌ・エーは一切の責任を負いません。

出版物

各種ログイン