ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)でエンジニアとして勤務していた元従業員が、28ナノプロセスに関する情報を不正に取得し、中国の半導体メーカーである上海華力微電子への転職を図ったとして、営業秘密法違反と背任の罪で起訴された裁判で、台湾新竹地方法院(新竹地裁)は29日、元従業員に対し懲役1年6カ月、執行猶予4年の判決を言い渡した。
TSMCによると、元従業員は2010年に入社し、今年1月に辞表を提出したが、在職時に業務とは関わりのなかった28ナノプロセス関連の資料を大量にコピーしていたことが分かったため、事情聴取したところ、情報を不正に取得したことを認めた。その後、元従業員の自宅を本人立ち会いのもと調べたところ、関連資料が見つかったため、元従業員を解雇するとともに台湾新竹地方法院検察署(新竹地検)に告発した。
新竹地検が捜査した結果、元従業員が16年12月に上海華力微電子を訪れ、28ナノプロセスに関する情報を同社に引き渡した上で、転職する約束を交わしていたことが明らかになり、今年5月に元従業員を起訴することを決めた。
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