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日本戦略情報機構を設立、地政学リスク分析

元参議院議員で、第一次安倍政権で内閣府大臣政務官を務めた田村耕太郎氏が、日本向けに情報を発信するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」をシンガポールで立ち上げ、今月に本格始動した。シンガポール国際問題研究所(SIIA)と提携し、東南アジア諸国連合(ASEAN)の地政学リスクを分析する。

JIIのCEO(最高経営責任者)を務める田村氏は、8月からシンガポール国立大学(NUS)リー・クアンユー公共政策大学院の兼任教授に就任。これに伴い、SIIAの提携に加えて、アジア太平洋地域に影響を及ぼすさまざまな課題に精通している同大学院の講師陣などとの連携を強化し、日本向けの情報を発信する事業を立ち上げることにした。JIIの資本金は3万Sドル(約245万円)。元シンガポール政府職員で、日系レンタルオフィス事業を手掛けるクロスコープの取締役と、企業進出コンサルティングの日本アシストシンガポールの社長を務める関泰二氏も出資しており、同社が事務局運営を担う。

田村氏によると、世界的な投資活動は、経済指標の分析を基に予測を立て、投資が行われていたが、リーマンショックや欧州経済危機を境に一転。国や企業の投資活動は、国際情勢や外交関係の変動、国内の政治的変化に大きな影響を受けるようになった。地政学に基づいた情報の需要が高まっており、現在世界で3社のコンサルティング企業が存在するという。

しかし日本語で情報発信している企業は1社にとどまっている。日本企業の投資動向が、東アジアからASEANにシフトしている中、特に政治とビジネスが密接にかかわるASEANの地政学に基づいた十分な情報を日本の行政、民間が得ずらい環境にあることに着目した。

JIIの事業の一環として、9月から日本語で東南アジアの地政学に基づいた情報を発信するホームページを立ち上げる。会員を200社限定で募る予定で、会員料は月間3万円。企業、個人からの登録を受け付ける。地方銀行や地方企業の需要が高いとみている。情報配信のほか、講座開設や視察ツアー、企業や団体へのコンサルティングなども手掛ける。初年度の年商は約1億円規模を想定している。

また、リー・クアンユー公共政策大学院では、田村氏の兼任教授就任に伴い、日本人のビジネスリーダーや政府関係者向けに、同大学院の教授陣による5日間の集中講義を実施する。1回目の集中講座は9月1日に開催。受講料は計50万円。証券、商社、小売り業、地方銀行など大手企業のほか、地方の中堅企業の経営者なども参加する。当初は参加者25人を想定していたが、申し込みが殺到して45人になった。日本政府からは、財務省、経済産業省、金融庁、国土交通省、総務省、外務省の課長補佐級が参加するという。1回目の反響を見ながら年4回のペースで開催していきたい考えだ。

田村氏は「例えば、シンガポールの政府系投資企業なども、地政学リスクを考慮した投資ポートフォリオを立てており、日本企業とは違う考え方を取り入れている。ASEANの活力を日本企業が取り込み、日本経済の成長に貢献できる事業体として成長させたい」と話している。


関連国・地域: シンガポール
関連業種: 小売り・卸売りサービス

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