台北市で25日開幕した台湾最大の食品見本市「台北国際食品展（フード台北）」では、複数の業者が日本への輸出を意識したコメを展示し、日本米と同じ食感と日本米…

台湾

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今年のフード台北には、食品、食品機械、包装、ホテル用厨房（ちゅうぼう）施設など内外の企業約1,650社が参加。過去最大の約4,500の展示スペースを設置し、自社製品・商品をアピールしている。台湾市場への進出を狙う日本などの海外企業や、海外市場への進出を目指す台湾企業にとって、現地のパートナーを発掘する絶好の機会になっている。会期は28日まで。
台湾産米の海外販売に力を入れている企業の一つが台湾の聯米企業（新北市）だ。同社は過去に例のないコメ不足と価格高騰に直面する日本のコメ市場に注目し、５月から輸出を始めた。台湾ではコンビニ最大手のセブン―イレブンや、日本でも有名な小籠包（ショーロンポー）店チェーン「鼎泰豊（ディンタイフォン）」へのコメ供給を一手に引き受ける業界大手だ。
顔志原・電子商取引部門長は「日本では現在、コメ５キログラムの価格が4,000円前後だが、それ以下の価格帯は大幅に不足している」と指摘。台湾産米なら3,000～3,400円で販売できると述べた。
聯米企業は台湾に30人程度しかいない日本政府認定の「米・食味鑑定士」の有資格者を４人そろえるほか、日本の農業機械大手サタケの精米機や検査装置を導入するなどして、日本人が好むコメの食感や食味などを研究。「すし」「チャーハン」「弁当」などそれぞれの用途に合ったコメの品種を供給し、「価格の安さだけでない価値を提供できる」と意気込む。顔氏は「台湾には日本由来のコメの品種が多いなど食文化が似ていて、多くの人が台湾に親近感を持ってくれている」と強調し、「そのことも米国産やベトナム産にはない台湾企業の競争力だ」と自信を見せた。
同社は今年５月から日本へのコメ輸出を始めており、７月にも新たな出荷を予定している。日本では一部のスーパーで販売されるほか、レストランや病院の食堂にも供給される見込み。日本の清酒業者にも酒米として特定品種を輸出するという。
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台湾中南部でコメを集荷する大倉米鋪（南投県）は今年３月から日本向け輸出を始め、北海道、東京、山形などで販売された。
同社は、契約農家の栽培段階から日本政府の農薬規制に合った稲作方法を採り入れ、日本人が好むもちもち感と粒が比較的大きい品種「台南11号」を出荷している。簡碩宏執行長は日本政府が認定する「水田環境鑑定士」「米・食味鑑定士」「調理炊飯鑑定士」の三つの資格を持つ唯一の外国人だという。
同社の張至伶さんは「当社が契約栽培し、日本に出荷している台南11号は、日本市場向けに特別に育てた特別の品種だ」と力を込めた。
同社が現在日本に出荷しているのは、香りがほとんどない品種だが、特に若い世代の好みには変化の兆しもあり、今後は芋頭（タロイモ）の香りがする品種などの出荷も検討し、日本向けの供給ルートを拡大していきたいと話した。
■素食ブーム、きのこ製「フライドチキン」も
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フード台北では、若い世代を中心に食への健康志向が高まっていることを受けて、植物由来の材料を使った「素食（ベジタリアン食）」などのアイデア食品も数多く展示された。植物性材料を使った台湾の食品ベンチャー、得来素のブースでは、エリンギで作った「フライドチキン」を目の前の鍋で揚げた、できたてほやほやの一品を記者が試食させてもらったが、「本物以上のおいしさ」に驚いた。
このほか、大豆繊維でできたチーズやソーセージ、こんにゃく芋で作った「サーモン・マグロの刺し身」などの新開発商品も。こんにゃく製の刺し身の試食には、しょうゆとわさびの備えがあれば、よりおいしく味わえたと感じた。
日本の地方自治体や企業の食品を集めた日本館では、今年も宮崎県や青森県産の和牛、北海道のホタテ、各地の果物などのコーナーに多くの来場者が集まっている。
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