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【有為転変】第191回 国家は人口をどう増やすべきか(3)

日本では、働く女性が子供を産んで育てる環境の改善は遅々として進まず、保育園の待機児童の問題は何年も放っておかれた。その間、結婚世代の若者は疲弊し続けた。バブル後の景気低迷が長引くまま給与も物価も上がらず、生活費に窮した若者たちは晩婚になり、生活費を抑え、子供を産む意欲も急速にしぼんでいった。日本政府は目先の景気にしか目を向けず、安い短期労働者を入れてお茶を濁し、オーストラリアや欧米のような移民制度を検討することもなかったと言える。