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【19年の10大ニュース】経済成長にブレーキ

今年の中国経済を一言で表すならば「ブレーキ」だ。国内総生産(GDP)は第3四半期(7~9月)に前年同期比6.0%増と過去最低水準にまで成長率が鈍化。工業や投資、消費といったその他の主要指標も軒並み直近十数年や過去最低の伸びに落ち込んだ。貿易も5月から11月まで7カ月連続で前年割れと振るわない。
経済失速の一因となった米中貿易摩擦は、年初の段階では交渉妥結に向けた期待も出ていた。しかしトランプ米政権が5月に中国からの輸入品への追加関税率を引き上げ、9月にはほぼ全ての輸入品が対象となる追加関税第4弾の一部を発動するなど、収束に向かうどころか激化の一途をたどった。
中国政府は近年、経済成長のスピードよりも中身を重視する姿勢にシフトしているものの、今年の失速は12月に開かれた習近平総書記(国家主席)が主宰する共産党中央政治局会議でも「国内外でのリスクが増え、複雑な局面」と表現されたように、コントロールの範ちゅうを超えるものとなった。
2020年は第13次5カ年計画(16~20年)の最終年度。同計画で定める20年までのGDPの年平均成長率を6.5%以上、GDPと1人当たりのGDPを10年比で倍増させるとの目標達成に向けて、正念場を迎える。