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【17年の10大ニュース】節目迎え新たな挑戦へ

2017年の香港は「節目」の1年だった。中国への返還20周年を迎える中、香港のトップを決める行政長官選挙には前政務長官だった親中派の林鄭月娥(キャリー・ラム)氏が勝利。初の女性トップが誕生した。就任後に発表した施政報告(施政方針演説)や民主派との対話路線などが評価され、順調な滑り出しを切ったと言える。
経済も好転した。世界経済の改善や香港訪問客の増加、株式・住宅市場の活況などが追い風となって、各種の経済指標が上向いた。今年通年の小売売上高と旅行者数はプラス転換するとみられ、経済成長率も6年ぶりに高い水準を記録しそうだ。
一方、中国の台頭に伴い香港の地位が低下する状況に変わりはなく、競争力向上の材料が乏しいのも事実。政治を巡る民主派と親中派の争いの火種はくすぶり続ける。
政府は民主派との対話を進めつつ、中国寄りの政策で経済の押し上げを図るという難しい課題に直面している。来年は新しい挑戦の年になる。