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国内労働効率の低さ浮き彫り、ILO報告

国際労働機関(ILO)が7日に発表した「世界賃金報告2012~13年版」によれば、ベトナムでは賃金上昇率が労働効率上昇率の3倍にも上っている。国内産業の競争力の低さが、賃金・労働効率の関係からも、あらためて示された形だ。10日付トイバオキンテー電子版が報じた。

ILO報告によれば、世界的には賃金上昇率が労働効率の上昇率を下回っているが、ベトナムではこの逆になっている。06~10年期に、ベトナムの名目賃金は毎年平均26.8%上昇。インフレなどを考慮に入れた実質賃金上昇率も、毎年12.6%に達した。名目・実質上昇率とも、労働効率上昇率を少なくとも3倍上回っている。

ホーチミン市経済大学のホー・ドゥク・フン博士によれば、ベトナムの労働効率は、インドネシアの10分の1、マレーシアの20分の1、タイの30分の1で、日本と比べると135分の1にすぎないという。

米系人材サービスのマンパワーグループと労働社会科学研究所が国内9省市で9業種の6,000社を対象として行った合同調査では、各企業はベトナムの労働者の質について、域内の最下位10%に入ると評価した。

同調査では、対象企業の4社に1社が「労働者が技術への理解や創造性に欠ける」と答え、5社に1社が「新技術への適応能力がない」、3社に1社が「自社が必要とする技能を有する労働者を見つけることができない」と回答。社長の5人に2人が、「労働者の採用が困難」と考えていた。

医療、建設、運輸、化学、繊維などいくつかの分野では、労働者の技能不足が深刻で、外国投資家にとって、人件費の安さが次第に魅力を失いつつあることも明らかになっている。

ベトナム経済研究所のチャン・ディン・ティエン所長によれば、ベトナムは過去10年間、ハイテクと労働効率を経済発展の柱にするとの計画を打ち出しているが、すでに10年余りが経過したにもかかわらず、人材の水準は低いままだ。

経済成長に対する人材、知財、労働効率、技術の貢献の割合は、先進国で70%、東南アジア諸国連合(ASEAN)の多くの国で40%とされる一方、ベトナムではわずか28%だ。

09年におけるフィリピンの平均労働効率(金銭換算)は年3,606米ドル(29万5,700円)、韓国が3万8,253米ドルだったのに対して、ベトナムは1,459米ドルにとどまっている。

労働効率の改善なしに賃上げのみ進む現状では、ベトナムの投資先としての魅力の低下は避けられない。


関連国・地域: 韓国ベトナムマレーシアインドネシアフィリピン日本ASEAN
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務

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