深セン市に本拠を構える電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD)が日本の太陽電池市場に進出する。このほど生活協同組合コープさっぽろ(札幌市)から、太陽光発電所向けに太陽電池モジュールを受注した。日本からの受注は初めて。米国や欧州連合(EU)が中国製太陽光発電製品に対する反ダンピング措置を発動した影響で欧米向け需要が低迷する中、日本市場の開拓に乗り出したとみられる。
コープさっぽろ傘下で、太陽光発電などエネルギー事業を手掛けるエネコープ(札幌市)の担当者によると、BYD製品は北海道帯広市にある出力750キロワット(kW)の太陽光発電所に納入する。発注額は明らかにしていないが、「価格面も含めて総合的に判断し、購入に至った」という。
12日易車網によると、BYDはこれまで、欧州、米国、ブラジル、南アフリカで太陽光発電事業を展開。今年5月に発表した「PV TOP.5」と呼ぶ技術によって、太陽電池モジュールの発電効率を従来比10%向上し、設置コストを10%低減、また製品寿命を延ばすことに成功したという。
■ブルガリアで電気バス生産
BYDは11日、ブルガリアのエネルギー企業Bulmineralと、同国で電気バスの生産を手掛ける折半出資の合弁会社を設立することで合意した。同国で工場を設ける中国自主メーカーとしては長城汽車(河北省保定市)に続き2社目となる。投資額は明らかにしていないが、第1期の建設に数千万ユーロを投じる予定だという。来年2月にも生産を開始する見通しで、電気バスの生産能力は月40~60台を見込む。<深セン>
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