大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は18日、フィリピンの長期信用格付けが投資適格級となるまでには、一層の財政基盤強化が必要と指摘し、適格級への格上げは2年半後まで先送りされるとの見通しを示した。ビジネスミラーが伝えた。
S&Pは7月、フィリピンの長期外貨建て債務の信用格付けを「BB」から1段階引き上げ、投資適格級まであと1段階の「BBプラス」にした。格付け見通しは「ステーブル(安定的」として、早期の格上げがないことを示唆したものの、国内では将来の投資適格認定への期待が広がっている。
しかし、S&Pのシンガポール支社が発表したリポートは、フィリピンの財政がなお脆弱(ぜいじゃく)で、政府債務の利払い負担も大きいと指摘。財政については貧困層が多いことで1人当たりの所得が低く、歳入基盤が限定されている点を問題視した。さらに、最終段階に入っている酒・たばこ税の改正に関しても、大きな税収増効果は見込めないとして、早期の格上げに否定的な見解を示した。
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