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井関農機、ASEANで攻勢 インドネシアに新棟、タイも強化

クボタやヤンマーが先行する東南アジア諸国連合(ASEAN)の農機市場で、後発の井関農機が攻勢に出ようとしている。生産拠点のあるインドネシアにトラクターを製造する新棟を建設するほか、タイでは年内にも、インドで製造した小型トラクターを投入する。海外での堅調な需要を取り込む。

井関農機のインドネシア工場の外観=東ジャワ州(同社提供)

井関農機のインドネシア工場の外観=東ジャワ州(同社提供)

インドネシアの新棟の建屋面積は8,500平方メートル。すでに、敷地面積5万平方メートル、建屋面積2万7,000平方メートルという既存工場(東ジャワ州パスルアン県PIER工場団地内)の東隣に1万8,000平方メートルの土地を確保した。

新棟は2023年秋に完成予定。稼働後は、インドネシア工場の年産能力は現在の1万8,000台から2万2,000台に拡大する。既存工場では、今月から日本から欧州向けの乗用芝刈り機の生産の一部を移管する。

インドネシア工場の増強の背景には、海外の旺盛な需要を取り込む狙いがある。同社のインドネシア工場は、海外向け低価格帯のトラクターの基幹工場としての位置づけ。14年から北米向けに中型トラクターの生産を開始。その後、ASEANや欧州などを仕向け地に追加した。北米向けに小型クラスを生産するなど、生産機種も増やした。仕向け地別では、米国がメインで7~8割を占めることもあるという。

インドネシア国内の農機需要も高まっている。潤沢だった農業労働力が経済成長で不足に転じつつあるためだ。

■タイで印製トラクター投入

井関農機は、農業が労働人口の約30%を占めるタイでも事業の強化を図っている。20年には、同社の製品販売代理店、ISTファーム・マシナリーへの出資比率を20%から81%に引き上げ、連結子会社化。年内をめどにISTファームを通じて、インドの農業機械メーカーであるトラクターズアンドファームエクイップメント(TAFE)が製造する小型トラクター「NTZ227」をタイ市場に投入する計画だ。小型ながら27馬力のハイパワーを持ち、最高時速25キロメートルと長距離移動に対応しやすいのが特徴。

TAFEは、井関農機が18年11月に技術・業務提携した相手先企業。20/21年度(20年4月~21年3月)はインド国内で7万5,542台を販売し、シェアは11.7%だった。井関農機はインド市場では、TAFEを通じて自社の中型トラクターや田植え機を販売している。インドはトラクター市場自体も大きく、また小型クラスの生産台数も多くコスト競争力が高いことから、インドからの調達を決定したという。

井関農機によると、NTZ227はタイでは主に、キャッサバやサトウキビなど畑作市場に向けた管理作業用として販売する予定。需要が一巡した感のある水田向けよりも成長が期待できるという。インドでの開発に当たっては、井関農機の知見も活用し、タイ市場向けにカスタマイズした。タイ人の消費者は、操作が簡単かつ頑丈で、安価な製品を好む傾向が強いという。同社は小型機種の投入によって、タイでの販売台数を3~5年以内に現在の1.5倍に引き上げる計画だ。

タイの商業銀行大手カシコン銀行傘下の民間総合研究所カシコン・リサーチ・センターは、22年のタイの農機市場について前年比1.6~5.6%の拡大を予測。22.5%の高成長を記録した昨年を下回るものの、今後も安定した成長が見込めるとみている。

井関農機は22年第1四半期(1~3月)に387億円の売上高を計上した。ただ、日本国内は補助金などに伴う需要喚起の反動で前年同期比19.5%減の227億円にとどまったものの、海外は31.1%増の160億円と好調だった。うちアジア向けは35億円と全体の約22%を占めた。伸び率では59.1%増と、北米(17.9%増)と欧州(32.2%増)を上回った。


関連国・地域: タイインドネシアインド日本
関連業種: 農林・水産その他製造

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