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バンコク知事選、政界に波紋

タイの首都バンコクで22日に実施された知事選と議会選の結果が、政界に波紋を広げている。プラユット首相は「一つの地方選挙の結果にすぎない」と強気な姿勢を示す一方、タクシン元首相は「民主主義の勝利だ」との声明を発表した。

知事選では、インラック政権時代に運輸相を務めたチャチャート氏が138万票を獲得して圧勝。与党第2党の民主党が支持したスチャウィー氏(約25万票)、前進党のウィロート氏(同)、前副知事のサコンティー氏(約23万票)に大差をつけた。前知事のアサウィン氏は、21万票で5位に沈んでいる。

都議会選では、全50議席のうち、タクシン派の流れをくむタイ貢献党(プアタイ)は20議席、政治改革を前面に押し出し、プラユット体制に批判的な立場を取る前進党も14議席を獲得。野党系の2党で過半数の議席を超えた一方、民主党は9議席、プラユット首相を支持する与党「国民国家の力党(PPRP)」は3議席にとどまった。

プラユット首相は首都での選挙結果について23日の会見で、「あくまでバンコクでの選挙結果であり、全国でのものではない」とし、「現在の政治的な人気を正確に反映したものとは思わない」と指摘した。2019年の総選挙でPPRPは、バンコクの30の選挙区のうち12選挙区で議席を獲得している。

■タクシン氏「総選挙でも同じ結果に」

タクシン元首相は22日に政治ニュースを扱うユーチューブのチャンネル「ルーム44」に出演。知事選の結果について、「民主主義を支持する人たちの戦略的な投票行動の産物」とし、「次の総選挙でも同じ結果が繰り返されるだろう」と予想した。タクシン氏は「前進党の支持者のなかに、当選する見込みが強いチャチャート氏に投票した人が多かった」と分析。現政権を支持する層と異なり、自然にチャチャート氏に票が集まったとの見方を示した。タイでは11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が開催される予定。今回の選挙結果を受けてタクシン氏は「プラユット首相をはじめとする幹部はAPECの前に辞任すべきだ」との見解を示した。

最大野党のタイ貢献党は、次回の総選挙でタクシン氏の娘のペートンタン氏を首相候補にする方針とされる。タクシン氏は「ペートンタンが早々に政治の世界に適応していることに驚いている」と評価した。

22日の選挙結果を受け、タイ貢献党や前進党といった野党系の関係者が勢いづく中、これらの党が総選挙でも優勢を維持できるかについては、懐疑的な見方もある。ある関係者は「チャチャート氏はタイ貢献党と距離を置き、地滑り的な勝利を得た。同氏の人気は、タイ貢献党の人気に直結するわけではない」と指摘。一方で、前進党は総選挙に期待が持てると話した。

■チャチャート氏は「3つの優先事項」発表

バンコク知事に当選したチャチャート氏は、知事としての「3つの優先事項」を発表。「バンコク首都庁(BMA)が掲げる213の主要政策や、方向性を訴求していく」「洪水問題に取り組み、道路の安全性を改善する」「舗装道路と屋台などの物販スペースを整備し、悪質な業者を排除する」の3点にまずは重点的に取り組むとの方針を示した。同氏は選挙で公約として掲げた住宅地区から徒歩15分以内に公共の庭園を設置する政策にも触れ、「これらは4年の任期中に実現できるかは分からないが、最優先事項として取り組んでいく」とした。


関連国・地域: タイ
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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