英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「英国ビルマキャンペーン(BCUK)」は10日、人権侵害を行うミャンマー国軍と関与している企業を掲載した「ダーティーリスト」を更新し、新たに56社を追加したと発表した。掲載企業は計172社に増えた。
今回は新たに、国軍に軍用品の部品などを販売するロシア企業15社のほか、英企業2社、米企業3社などが追加された。
BCUKによると、英企業2社のうち、審査・認証機関GCLインターナショナルは、国軍系工場で製造されているトライスター(Tri-Star)ブランドのタイヤの広告にロゴを掲載。もう1社のメディア企業デイリー・メール・アンド・ジェネラル・トラスト(DMGT)は、国軍紙ミャワディ・デイリーに記事の使用権を許可していると説明した。
米プライベートエクイティ(PE)ファンドのカーライル・グループについては、同社の合弁企業である香港の通信衛星運用会社の亜洲衛星(アジア・サテライト・テレコミュニケーションズ、アジアサット)が、国軍所有のテレビチャンネル「MWD」を放送していると指摘。米投資会社TPGキャピタルは、同社が支配株主になっているタワー・ホールディングス・グループがミャンマーで所有する通信塔運営企業2社が、国軍系企業が出資する携帯電話サービス会社マイテル(Mytel)にサービスを提供しているという。
BCUKのマーク・ファーマナー・ディレクターは、「大量虐殺やクーデターを行う国軍とのビジネスは許されない」と強調。「米国や日本、韓国などは武器禁輸措置をとっているが、自国の企業がミャンマー国軍に資金援助することを許している」と非難した。
ダーティーリストは次回、7月に更新される予定になっている。
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