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「外貨準備高は1年で5割増」中銀総裁

ベトナムの外貨準備高は昨年末時点で1年前に比べて50%増加した──。ベトナム国家銀行(中央銀行)のグエン・バン・ビン総裁がこのほど発表したもので、今月末には昨年末比で30%増え、今後は外国為替市場が安定するとの見通しも示した。19日付ベトナム・インベストメント・レビュー(VIR)が報じた。

ビン総裁は今後のドン紙幣の増刷について、「(外貨準備高が安定的に増加している今)ドンの貨幣価値の下落を引き起こさないよう適切な量を刷っていく」と述べた。こうすることで、自国通貨に対する国民の信頼を得られるほか、国際通貨基金(IMF)が設定する外貨準備高の適正基準を満たせるとした。

中銀はベトナムの外貨準備高を公表していないが、大手国際格付け会社フィッチ・レーティングスの推計では、昨年末時点で150億米ドル(約1兆2,510億円)前後に達しており、さらに今年初めには40億~50億米ドルを買い付けたとして、現在は200億米ドル前後に上るとされる。

ベトナムに外貨が安定的に流入する要素の1つとしては、ギリシャを発端とする欧州債務危機を受けて、低リスク・高リターンを見込める東南アジアを含むアジアをポートフォリオに入れるファンドが増えていることなどが挙げられる。計画投資省系研究機関・中央経済管理研究所(CIEM)の上級エコノミストであるボー・チー・タイン氏は、「(欧州債務危機の余波への備えから)各国が金融緩和に踏み切る動きがあり、ベトナムに外貨が流入しやすい状況だ」と述べた。

■外貨建て融資の規制強化

中銀は外貨建て融資の規制を強化することで、外為市場のさらなる安定を図る方針。具体的には、5月2日に発効する中銀通達03号(03/2012/TT─NHNN)で、外貨収入のない事業者に対する商業銀行の外貨建て融資を禁ずる。

ただ為替の安定を阻害する要因もある。英銀行大手HSBCの為替ストラテジストであるドミニク・バニング氏は、年末にかけてドン建ての融資金利が大幅に下がって米ドルとの金利差が縮まらない限りはドン安圧力が続き、外為市場が安定を欠く可能性もあるとする。ドン建ての融資金利は現時点で年17~19%だが、米ドル建ては6~7.5%と大幅に低い。輸出が好調でない場合はスポット市場で外貨を調達する必要が生じるため、ドン安圧力になる懸念がある。

ただ、現在のところ為替は安定しており、17日の銀行間レートは1米ドル=2万828ドンだった。ベトナム外商銀行(ベトコムバンク)やベトナム投資開発銀行(BIDV)など大手商銀の店頭では2万850ドンを付け、非公式市場(闇市場)の2万840ドンよりも割高になるなど、前代未聞の様相を呈している。


関連国・地域: ベトナム
関連業種: 金融マクロ・統計・その他経済

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