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国際線旅客、1便90人に制限 急な方針、航空各社は改善要請

インドネシアの運輸省航空局は先月30日、首都ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ国際空港に旅客便を乗り入れる国内外の航空会社に対し、同日から1便当たりの旅客数を最大90人に制限するよう要請したと明らかにした。あまりにも急な政府の規制方針に対し、日本の航空会社は対応に追われ、航空業界や在インドネシア日本大使館は政府に見直しを働きかけている。

スカルノ・ハッタ国際空港で到着後の手続きに並ぶ搭乗客ら=1日、バンテン州タンゲラン(NNA撮影)

スカルノ・ハッタ国際空港で到着後の手続きに並ぶ搭乗客ら=1日、バンテン州タンゲラン(NNA撮影)

航空局のノフィ局長は、先月29日に国内、海外のすべての航空会社に対し、旅客数の制限について通達したと明らかにした。新型コロナウイルス感染防止の水際対策として、空港で実施する到着旅客のPCR検査に混雑を生じさせず確実に行うためと説明した。

インドネシア政府は先月19日から、海外からの入国者に対する1回目のPCR検査を、それまでの隔離滞在先から到着空港での実施に変更している。PCR検査態勢については、スカルノ・ハッタ国際空港での検査能力を現在の1時間当たり200人から1,000人に引き上げる準備を進めているという。

ノフィ局長は、「8~9月にスカルノ・ハッタ国際空港に到着した国際線の旅客数は1日当たり1,500人程度となり、増加傾向にある」と指摘。航空会社に対しては、フライトの出発前に、旅客便の到着計画とインドネシア人と外国人の搭乗者数について当局に報告することも義務づけたと明らかにした。

■振り替え便を案内

複数の航空会社関係者によると、運輸当局からは「10月1日までに到着する便については、90人を超えていても配慮する」との対応を受けた。実際、1日に到着した国際線で90人を超えた便もあったものの、当局から指摘を受けたり入国拒否などの措置を受けたりした航空会社はなかったようだ。

しかし日系航空会社では2日以降のフライトに予約客が90人を超える便が複数あることから、急な対応を余儀なくされている。全日本空輸(ANA)は2日以降の出発便について、支店やコールセンターなどを通じて搭乗予定客に対し、他の便への振り替えが可能かどうか連絡する作業に追われた。

ANAは2日、事前にすべての予約客と連絡が取れず、出発当日にも羽田空港のチェックインカウンターで乗客1人ずつに事情を説明して理解を求めたところ、10人以上が他の便への変更に応じてくれたという。

ANAジャカルタ支店の錦織暁支店長は「インドネシア政府が90人以上の搭乗を認めないと通達している以上、(90人を超えたフライトの搭乗客に)万が一にも到着空港で入国が認められないような事態が生じれば、お客さまに多大なご迷惑がかかる」とコメント。日本航空(JAL)も、今後90人を超える便については、乗客数を90人以下に抑えられるように事前に予約客への連絡を続けるとしている。

政府の急な入国制限措置に対し、航空各社は個別に、あるいは業界団体を通じて改善を要請している。在インドネシア日本大使館の関係者もNNAに対し、「例えば(規制を導入した)30日までに受け付けた予約の旅客については猶予するなどの配慮を政府に働きかけている」と明らかにした。

地元メディアの報道によれば、国際航空運送協会(IATA)アジア太平洋地域のリージョナルバイスプレジデント、フィリップ・ゴー氏も「インドネシア運輸省はもっと早く、国際線を乗り入れる航空会社に通知すべきだった。そうすれば、航空券の予約客に対して調整ができたはずだ」と指摘した。政府に対して規制の見直しと、国際線の乗り入れ空港の追加を求めた。

インドネシア政府は現在、空路の入国玄関口をスカルノ・ハッタ空港と北スラウェシ州マナドのサムラトゥランギ空港の2カ所に限定している。

航空局のノフィ局長は「今回と同様の入国者数制限は、日本やオーストラリア、フィリピンなど多くの国で実施された」と指摘している。日本では東京五輪の開催を控えた7月、入国者数が制限された時期もあるが、当時の状況を知る関係者は「入国者数の制限方針が発表されてから、実際に適用されるまでに周知期間があった」と話し、インドネシア政府の突然の規制発表に加え、十分な周知期間もないことに戸惑いを隠せないでいる。

インドネシアでは感染が急拡大した7月以降、日本人の多くが待避や、その後海外在住者向けに始まったワクチン接種などを目的に一時帰国していたが、感染状況がやや落ち着きを取り戻してきたこともあり、インドネシアに再入国する在留邦人も少なくない。

このような状況で旅客数が制限され、航空会社がすでに受け付けた旅客の予約をキャンセルせざるを得ない事態になれば、せっかく回復しつつあった状況にも水を差しかねない。

ANAの錦織支店長は「90人を最大搭乗者数とすることでご希望の便が取れない場合がある。この状況が早期に改善するよう各所に働きかけたい」とコメントした。


関連国・地域: インドネシア日本
関連業種: 運輸マクロ・統計・その他経済社会・事件

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