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過去10年の豪生活水準、50年代以降で最低水準

オーストラリアでは2010~19年の10年間に、国民1人当たりの国内総生産(GDP)と平均所得ともに過去60年で最低の水準に落ち込んだことが、連邦政府の諮問機関である生産性委員会の年次報告書で明らかになった。生産性委員会は、経済改革を実施しない限り、生活水準の低下は続くと警告している。17日付地元各紙が報じた。

新型コロナウイルスの感染流行が始まった19/20年度に、オーストラリアの全要素生産性(MFP)は0.68%減に落ち込んだ。しかし、生産性委員会のブレナン委員長によれば、昨年度を除いた場合でも、過去10年間の国民1人当たりGDPと所得は過去60年で最低だったという。仮に、12年以前の経済成長率を10年間にわたり継続できていれば、昨年の国民の平均所得は実際よりも1万1,500豪ドル(約97万円)高かったと試算された。

報告書によると、1960年代には国民1人当たりの平均所得は年3%増、70年代には年1.2%増に落ち着いたが、世界金融危機前の2007年には2.4%増に回復した。しかしその後、00年代後半から生産性が低下し、過去10年間の平均所得の伸び率は1%となっている。

ブレナン委員長は、「生産性の伸びは長期的な国の繁栄に貢献するもので、現在の高い生活水準は何十年にもわたって生産性が伸びてきた結果だ」と説明。過去10年に生産性が伸び悩んだ理由については、世界的な生産性の低下や国内における資源投資ブームの終えんが、投資や貿易の減速、世帯の購買力の低下につながったと述べ、「こうした状況への政府の対応が、今後の生活水準に持続的な効果を与えることになる」と指摘した。

■政府の債務拡大に警告

新型コロナウイルスの感染流行を背景にオーストラリアの政府債務が膨れ上がっていることについて、生産性委員会のブレナン委員長はこのほど、長期にわたり維持してきた財政規律を見失うと、現在と未来の納税者に多大なコストを負わせることになると警告した。

同委員長はオーストラリア経済開発委員会(CEDA)の会合で行った演説で、モリソン政権の財務戦略に異議はないとした上で、新型コロナに関連した総額2,500億豪ドル(約21兆1,725億円)の財政支出は、当初の「保険」としての機能から、自信と需要を促すための「刺激策」に移りつつあると指摘。GDP成長率が国債利回りを上回ると仮定し、対GDP比で債務水準は縮小すると見込んでいる政府の財政修復戦略は、社会に誤った認識を持たせるリスクがあると警告した。


関連国・地域: オーストラリア
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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