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ドバイ主導の貿易振興制度 東南アジア4カ国も加盟

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの民間セクターが主導する貿易物流の振興プログラム「ワールド・ロジスティクス・パスポート(WLP)」に加盟する東南アジアの国が増えている。直近ではマレーシアが参画し、域内で4番目の加盟国となった。ドバイを中心にアフリカや中南米、アジアの新興国の物流を促進し、貿易を振興させることが期待されている。【Celine Chen】

ワールド・ロジスティクス・パスポートは、南半球の貿易促進を目的とした貨物関連企業向けのロイヤルティープログラムだ(WLP提供)

ワールド・ロジスティクス・パスポートは、南半球の貿易促進を目的とした貨物関連企業向けのロイヤルティープログラムだ(WLP提供)

ワールド・ロジスティクス・パスポートとは、2020年1月の世界経済フォーラム(WEF)でドバイ政府が立ち上げ、同国の物流業界が率いる、商社やフレイトフォワーダー(自ら輸送手段を持たず貨物輸送を行う事業者)など貨物関連企業向けのロイヤルティープログラム制度だ。

各国・地域の政府と民間セクターの連携を促し、「トラブルフリー(障害なし)」な国際物流網を創造するのが目的。各地の貿易拠点で発生する諸費用を削減したり、貨物の高速追跡を実現したりすることで、港湾、空港間の接続性を高め、非関税障壁を取り除きたい考えだ。

アジア、アフリカ、中南米をつなぐ新たな交易ルートを開発するほか、既存ルートの改良にも力を入れ、貨物輸送にかかるコストと時間を削減しようとしている。現在は、アジア、アフリカ、中南米などから23カ国・地域が加盟している。

東南アジアでは、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシアが参画。マレーシアは今月8日に、ケニア、パラグアイ、エクアドルの3カ国と同時に加盟した。今月初めには、エチオピア、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビークなども加盟し、急速に加盟国を増やしている。

マレーシアの参画で、南部ジョホール州のジョホール港がワールド・ロジスティクス・パスポートの物流網に加わった。同港は航空貨物の輸送拠点からの距離が45キロメートルと、物流ハブとしてのポテンシャルが高いという。

インドの首都ニューデリーのインディラ・ガンジー国際空港(IGIA)もワールド・ロジスティクス・パスポートに加わったばかり。同空港は77都市余りへの航空貨物輸送ルートを持つ。

マレーシアとインドの加入で、各地域をつなぐ輸送網が拡大する見通しだ。

■ソニーやLGが利用

ワールド・ロジスティクス・パスポートは、シルバー、ゴールド、プラチナの3種類のメンバーシップを用意している。会員企業およびパートナー企業は、ワールド・ロジスティクス・パスポートのネットワークを通じ、提携物流企業や各国・地域の港湾、税関などから会員向けのサービスを受けられる。会員ステータスに応じて、節減できる時間コストなどが変化する仕組みだ。

既に、世界的な物流網を必要とする多国籍企業がパートナー企業として登録。代表的なところでは、米貨物運輸大手のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、米製薬大手ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ソニーグループ、韓国LG電子がワールド・ロジスティクス・パスポートのロイヤルティープログラムを利用している。

ワールド・ロジスティクス・パスポートの運営者は「各国・地域でワールド・ロジスティクス・パスポートがフル活用できるようになれば、会員・パートナー企業は、年間で5~10%の取り扱い貨物の増量が見込める」と説明。メンバーシップは、一定の条件付きとなるが、どの国の事業者に対しても無料で付与していると付け加えた。


関連国・地域: タイベトナムマレーシアシンガポールインドネシアASEAN中南米中東アフリカ
関連業種: 運輸マクロ・統計・その他経済

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