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5月登記数、政変後最多に 情勢やや沈静化で企業に動き

政情不安の続くミャンマーで、企業登記数が反転し、増加傾向をたどっていることが、政府機関の統計から分かった。先ごろ公表された5月実績では、登記数が先月比で3倍近くに増え、軍事クーデター発生翌月の3月を底に、2カ月連続でプラス成長となった。現地の関係者は、動向を見守っていた国内外の企業が、国内情勢に落ち着きが見られ始めたと判断し登記に踏み切ったと指摘。来月以降も同様の傾向が続くとの見通しを示した。

最大都市ヤンゴンでも状況に落ち着きが見られはじめている=5月11日、ヤンゴン中心部(NNA)

最大都市ヤンゴンでも状況に落ち着きが見られはじめている=5月11日、ヤンゴン中心部(NNA)

同国内ではクーデター後、国軍に抗議するため業務を放棄する「市民不服従運動(CDM)」が金融や物流から政府機関まで広い範囲に拡大した。銀行では店舗営業ができず、窓口での送金、決済といった業務が止まった。現金の引き出しも制限され、企業が身動きできなくなった。

事実上の経済まひの状態となり、企業の登記数も減少。ミャンマー投資委員会(MIC)の事務局である投資企業管理局(DICA)が運用するオンライン企業登記システム「MyCO」を通じた登記は、2月に188件と今年1月の1,373件から9割近く落ち込んだ。200件を下回ったのは、2018年にMyCOの運用が始まってから初めてで、3月にはさらに163件まで減少した。

底入れしたのは4月。254社となり、昨年12月以来5カ月ぶりに前月実績を上回り、プラスに転じた。この流れは5月も続き、企業登記数は686件となり、先月比で2.7倍に拡大した。

■前年比でもマイナス幅縮小

前年同月との比較でも回復軌道が続いており、2月の85.5%減を底にマイナス幅が縮小している。3月は83.9%減、4月は27.0%減、5月は14.0%減となっている。

この結果、1~5月の累計では2,664件となり前年同期比45.3%減。1~3月の54%減、1~4月の51%減に比べ、落ち込みの幅が小さくなった。

足元の状況について、外国企業の投資窓口の機能を担うDICAの関係者は「クーデター直後は事業を中断・撤退する企業もあり、新規登記する企業は少なかった」と説明。その上で、「4月から国内情勢が安定してきたとみる企業が増え、登録数が前月比でやや上向き、5月に伸びが加速した」と分析した。

この担当者はまた、来月以降も同様の動きが続くと予想。「企業側にとって、銀行の機能不全や現金不足は依然として課題となっているが、会社法に従って先に登記し、機会をみて実際に事業活動を開始する法人もある」と説明した。ミャンマーではここにきて、軍事政権からの圧力で銀行が窓口営業を再開し始めるなど、経済が動きだす兆しがみえ始めている。

MyCOを通じた企業の登記と再登記は2018年8月1日に始まり、同年には8,506社、19年には1万7,380社、20年には1万5,080社が登記された。毎月平均1,000件程度の登録が続いていた。昨年は新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた4~5月に急減したものの、年後半は新規感染者数の減少もあり、増加傾向をたどっていた。単月の登記数で過去最高だったのは、18年9月の2,218件。


関連国・地域: ミャンマー
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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