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【NNA景気指数】タイ 2021年第2四半期予測

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。 NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。 両指標ともNNAのタイ経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。 NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。 NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。 両指標ともNNAのタイ経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。 NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

■景気回復が一巡、下降局面入りも

・景気指数は2月にやや下落

・コロナ感染抑制は一進一退

・5月末まで非常事態宣言延長

・消費停滞で輸出が回復の鍵に

<経済アナリストの目>

タイの場合、データの開示日程の関係から、1~2月の2カ月の指数の平均で2021年第2四半期(4~6月)の景気動向を見る。景気の現状を指数化したNNA CIは、1月までほぼ8カ月連続で上昇して118.4をつけた後、2月には116.3と小幅ながら下落した。

1月の118.4は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まる昨年1月のピーク119.1に匹敵する水準。2月は、感染症対策の強化などが伝えられ記事センチメントが悪化したこと、好調だった付加価値税収の伸びがマイナスに転じたことなどが、指標の頭打ちの原因となった。

景気の方向感を表すNNA DIは、1~2月の2カ月平均で53.3%となった。この指標は、製造業生産、付加価値税収、自動車販売台数、輸入数量、要求払預金、記事センチメントの6指標のうち、いくつの指標が3カ月前から改善しているかを見るものである。2カ月間のNNA DIは「くもり」のレンジにあり、これまで続いてきた景気回復は一巡し「横ばい」となると示唆している。

ただ月次の指標を見ると、12月の83.3から1月は66.7に下落、2月にはさらに40%に下落している。記事センチメントに加えて、自動車の国内販売台数や付加価値税収の伸びが鈍化し、DIの月次指標の低下をもたらしている。今後さらに3カ月前の水準から改善を示さない指標が増えると、景気は下降局面に移行する可能性がある。

国内総生産(GDP)成長率について、政府は20年のマイナス6.1%からの回復を想定して、21年の目標を4%としているが、財務省財政事務局(FPO)の見通しでは、輸出や民間投資の伸びと外国人旅行者の回復が4%目標の想定には届かず、今年のGDP成長率が2.8%になると予測しているとNNAは伝えている。こうした中、タイ政府は2月、経済回復と環境対策を同時に推進する「BCG(バイオ・循環型・グリーン)経済」を5カ年計画として立案し、環境保全や生物多様性など7つのワーキング・グループを設けて規制緩和や投資促進を図る方針を明らかにしている。

日本格付研究所 チーフアナリスト 増田 篤

<タイ編集部の目>

2020年末にタイで発生した新型コロナウイルス感染症の流行の第2波は、2月以降収束の兆しを見せていたが、3月中旬から再びクラスター(感染者集団)が発生し、一進一退の状況が続く。一方で、2月末からタイ国内で新型コロナのワクチン接種が始まり、4月からは新型コロナ変異株が流行していない国・地域からの入国者の隔離期間が従来の14日間から10日間に短縮されるなど、経済の本格回復に向けた動きも出ている。

第2波の経済への影響については、タイ中央銀行(BOT)が3月下旬、21年の国内総生産(GDP)成長率を3.0%と予測し、昨年12月に示した3.2%から下方修正している。中銀は第2波の影響に加えて、外国人旅行者の受け入れが遅れていることも理由に挙げた。

タイ政府は、3月中旬に首都バンコクで再びクラスターが発生したことなどを受けて、昨年3月から発令している非常事態宣言の期限を5月末まで延長。政府は経済・社会活動の規制と緩和のバランスを取りながら対応してきたが、引き続きコロナ対策が国内経済を左右することになりそうだ。

一方足元では、2月末に始まった新型コロナのワクチン接種が感染リスクの高い13都県で進んでいる。日本を含めた新型コロナ変異株が流行していない国・地域からの入国者の隔離期間も短縮されたため、ビジネス客の往来がしやすくなるとみられる。

タイの主要産業である自動車の生産台数を見ると、世界経済の前年の落ち込みからの反動を受けて輸出向けが回復しており、2月は前年同月比3.1%増加した。国内市場向けの生産は第2波の影響で微減だったものの、3月下旬から4月上旬に開かれた自動車展示・販売会「第42回バンコク国際モーターショー」の四輪車の成約台数は、昨年7月に開かれた前回と比べて52%増加。モーターショー主催者は「消費者の購買力が落ち込んでいるわけではない」との見方を示す。

第1四半期の二輪車の新規登録台数を見ても、前年同期比1.2%増と回復。3月の登録台数は前年同月比16%増の17万台と、2018年6月以来の多さとなった。とりわけ地方での登録台数が堅調に伸びた。

上向き傾向にあった国内消費市場にとっての懸念材料は、新型コロナの新たな流行の行方だ。4月以降、英国型変異株の感染が拡大していることを受け、同月10日から始まったタイ正月(ソンクラーン)の連休を前にバンコクを含む41都県で娯楽施設が閉鎖され、旅行を控える人も増えている。今後は国内消費が再び停滞することも予想されるだけに、1~2月の累計で前年割れとなっている輸出がどれだけ回復するのかも鍵となりそうだ。

NNAタイ前編集長 京正裕之

<本資料について>

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関連国・地域: タイ
関連業種: 自動車・二輪車電機食品・飲料マクロ・統計・その他経済

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