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域内圧力効果なく犠牲者30人近く、国軍暴走

軍事クーデターへの抗議活動が続くミャンマーの最大都市ヤンゴン、北中部マンダレー管区などで3日、デモ参加者30人近くが死亡した。治安部隊の武力行使が原因とみられ、ヤンゴンではひとつの地域で死者16人が出たもようだ。2日には東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議が暴力の自制を求め圧力をかけたが、効果はみられず、犠牲者が増えている。国軍は世界で孤立しつつある。

犠牲者が増えても、人々はクーデターに抗議するデモを続けている=3日、ヤンゴン(NNA)

犠牲者が増えても、人々はクーデターに抗議するデモを続けている=3日、ヤンゴン(NNA)

地元メディアの報道によると、3日夕方にヤンゴンの北オッカラパ郡区で治安部隊の激しい武力行使があり、発砲などで15人が亡くなった。北オッカラパ郡区では夕方前にも1人が死亡。そのほかに、マンダレーで3人、中部マグウェー管区で2人、北中部ザガイン管区で8人が、治安部隊の攻撃により死亡したとの情報がある。ザガイン管区の死者には、2日に銃撃され、手当てを受けていた1人が含まれる。

2月1日のクーデター発生から3月2日までに、治安部隊の武力行使で亡くなったデモ参加者は少なくとも21人に達していた。3日の犠牲者を合わせると、分かっているだけで50人に達した。

前日の2日、国軍が外相に任命したワナ・マウン・ルウィン氏も参加した東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相非公式会合では、シンガポールなどの主要国から強い懸念が示され、議長声明として暴力の抑制が求められたところだった。

■国営紙は域内の「懸念」伝えず

ミャンマーの国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマーは3日の紙面で、ASEAN外相の非公式会合に、国軍が外相に任命したワナ・マウン・ルウィン氏がオンライン出席したことを1面トップで伝えた。しかし、議長声明でクーデター後の現状に関する懸念が示されたことや、暴力行為の停止が求められたことには一切触れず、同氏がミャンマーの代表として、昨年11月の総選挙に不正があったと主張し、国軍の最高意思決定機関「国家統治評議会(SAC)」が治安維持や新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を進めていると説明したとのみ報じた。

治安部隊の侵入を防ぐ目的で路上に置かれた石とバリケードが、市内各所で見られるようになっている=3日、ヤンゴン(NNA)

治安部隊の侵入を防ぐ目的で路上に置かれた石とバリケードが、市内各所で見られるようになっている=3日、ヤンゴン(NNA)

国連では、先月26日の特別会合でクーデターを批判したことを理由に国軍が解任したチョー・モー・トゥン大使が正統性を主張し、米国も支持している。国軍がチョー・モー・トゥン氏の後任として任命した次席大使は3日、自身の会員制交流サイト(SNS)を通じ「現状では愛する仕事を捨てるしかない」と辞意を表明。地元メディアが同氏のSNS画像を示して報じた。国際社会と国軍の認識には大きな隔たりがある。

■デモ隊のバリケード、市街各所に

ヤンゴンでは複数の場所で3日もデモが継続。報道によると、治安部隊が100人以上の抗議者を拘束した地域もあった。市街地では、デモ隊が治安部隊の侵入を防ぐために路上に石などの障害物を設置するほか、土嚢(のう)や家具によるバリケードをつくっている。

治安部隊の監視が強まっているが、民主化を求める子どもから大人までが抗議活動に参加し、革命歌などを歌って抵抗。大型のショッピングモールは全て営業を停止している。地場流通大手シティマート・ホールディング(CMHL)は4日、全店舗休業すると発表した。


関連国・地域: ミャンマー
関連業種: 社会・事件

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