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コロナ後はデジタルと人材開発が鍵=シンポ

日本の海外産業人材育成協会(AOTS)は2日、新型コロナウイルスがインドネシア、タイ、ベトナムの労働経済や働き方に与えた影響について、オンラインでシンポジウムを開催した。基調講演では、インドネシア経営者協会(Apindo)のダナン事務局長、タイ経営者連盟(ECOT)のエカチャイ・アドバイザー、ベトナム商工会議所(VCCI)のホアン・バン・アイン副事務局長(会員・研修部門)が登壇。いずれも、新型コロナウイルス感染収束後の経済回復に向け、労働者の能力開発やデジタル化の促進が重要だと指摘した。

ダナン氏は、新型コロナの影響で、インドネシアの約8割の企業で収益が減少したと報告した。一方で「中小企業の約3分の1はインターネット事業に活路を見いだしている」と指摘。電子商取引(EC)や会員制交流サイト(SNS)を通じた販売につながる商品開発が行われていると説明した。また5社に1社が製品の多角化を図り、マスクや衛生用品など、新規分野への参入に成功していると述べた。

エカチャイ氏は、タイ政府の新型コロナの影響を受けた労働者への支援策として、能力開発の促進や、雇用維持のための賃金補助を紹介。コロナ収束後は、タイのニューノーマルとしてスマート農業や中小企業の全面デジタル化、高齢化社会を支えるインフラの整備を進める方針を明らかにした。

アイン氏は、ベトナム企業はコロナ禍の困難な状況下でも、ビジネスチャンスを見極めていると強調。コロナ克服を見据え、人材育成に注力する企業が41%に上ると紹介した。また、労働問題を巡る解決策を協議する労使協議制が大きく進んだと述べた。

■テレワーク、コミュニケーション力の低下も

続いて行われたパネルディスカッションでは、早稲田大学政治経済学術院の白木三秀教授がモデレーターを務め、参加者の質問に答える形で議論を展開した。

コロナ禍で深刻な影響を受ける社会的弱者に対する支援について、ダナン氏は「インドネシアの企業は全従業員数の1~3%の割合で障害者を雇用する義務がある」と紹介。既に就業している障害者はコロナ禍でも経済的に安定しているが、新規就労は困難な状況だと述べた。

テレワークの課題について、アイン氏は「生産性や効率を測る手段がない」と指摘。部下の指導は対面でも難しく、オンラインでは困難を極めると述べた。

エカチャイ氏は「約80%の小・中・高校の先生は、オンライン授業に苦手意識がある」と述べ、テレワークがもたらす心理的な問題を取り上げた。また、対面で話す機会が減ることで、コミュニケーション力が低下する可能性もあると指摘した。

AOTSによると、シンポジウムには約100人が参加した。

パネルディスカッションでは、社会的弱者に対する支援、テレワークの課題などについて議論した。写真は右上から時計回りに白木氏、ダナン氏、エカチャイ氏、アイン氏=2日(NNA撮影)

パネルディスカッションでは、社会的弱者に対する支援、テレワークの課題などについて議論した。写真は右上から時計回りに白木氏、ダナン氏、エカチャイ氏、アイン氏=2日(NNA撮影)


関連国・地域: タイベトナムインドネシア日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務政治

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