ミャンマー国軍は2月27日、国営テレビを通じ、国連大使のチョー・モー・トゥン氏を同日付で解任したと発表した。同大使は26日に米ニューヨークの国連本部で行われたミャンマーの問題を協議する特別会合でクーデターを批判。国際社会に対して国軍の戦争犯罪や暴力行為の停止と、ミャンマーの民主化に向けた強力な支援を求めていた。
国営テレビでは、解任の理由についてチョー・モー・トゥン氏が「国家を裏切り、国連の会議で自身の(国連大使としての)権力を乱用した」と報じた。
同氏はクーデターが起きる前から国連大使を務めていた。自国を救いたいとの思いから26日、国軍の行為を批判して国際社会に強い行動を求める異例のスピーチを行った。
約12分にわたるスピーチで同氏は、「人々に選ばれた国民民主連盟(NLD)政権の代表である」と切り出し、民主的に選出された議員による政府を排除するために、国軍が国民の意思を無視してクーデターを起こしたと述べた。
また、ミャンマー国内で現在、「平和的な抗議を行うデモ参加者が銃撃され、市民不服従運動(CDM)の賛同者、総選挙の当選者が法的根拠なく拘束されている」と説明。「国軍の戦争犯罪や人道に対する罪を容認すべきではない」と非難し、「直ちにクーデターを終わらせ、罪のない人たちへの弾圧を止め、人々の手に国家を取り戻すため、国際社会の可能な限り強い行動が必要だ」と求めた。終盤に独裁への抗議を示す三本指を掲げると、会場から拍手が起こった。
チョー・モー・トゥン氏は、「世界各国にいるミャンマー人に伝えたい」と許可をとり、最後の約1~2分だけをビルマ語に切り替え、「この闘いを続けよう、必ず勝たなければならない」と連帯を呼び掛けた。
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