春節(旧正月)の帰省を断念した知人がいる。故郷は吉林省の農村部。冬になってコロナのクラスター(感染者集団)が発生した地域でもあり、帰って来るなら出発前と到着後のPCR検査が必須、加えて実家で2週間の実質隔離を求められるとあって、あきらめざるを得なかったという。
失意の彼が休暇中に向かった先は、広州郊外の温泉リゾート。温泉なら吉林にいい場所があるそうだが、帰れないのだから仕方がない。家族とともに故郷で落としてくるはずだったお金を、広州経済への貢献に回した格好だ。
「移動しない春節」がトレンドとなった今年、大都市の高級ホテルや観光地はそこそこの賑わいを見せたと伝えられる。よそから訪れる観光客の減少を現地に残った人たちが補い、都市の経済は潤った。一方で農村部の景気がどうなったのかは、あまり聞こえてきていない。(羊)
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