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【NNA景気指数】ベトナム 2021年第1四半期予測

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。
NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。
両指標ともNNAのベトナム経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。
NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。 NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。 両指標ともNNAのベトナム経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。 NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

■コロナ禍からの回復続く

・第3波の懸念和らぐ

・DX追い風に輸出好調

・テト前後に消費上昇見通し

・新指導部の顔ぶれに注目

<経済アナリストの目>

ベトナムの新型コロナウイルスの感染者数は2020年12月時点で1,000人強にとどまり、抑え込みに成功している。20年1月にベトナム国内で中国人旅行者の感染が見つかり国内初の事例となったが、国際線運航も順次停止させ、ウイルス侵入を水際で最小限にとどめた。4月にはフィジカルディスタンシング措置を導入し、外出やサービス業に強い制限を敷いた。

4月下旬以降は制限を緩和し、国内線も正常化させた。コロナの影響を最小限に抑えたことで、9月以降の国内旅行や外食、小売りは持ち直した。

成長を支えているのが、米中向けの輸出だ。1~10月の最大の輸出先である米国向けは前年同期比24%増、2位の中国向けも14%増と大きく伸びた。世界的にデジタル化への流れが強まるなか、関連機器の需要がベトナムの輸出を伸ばした。

1~11月の外国人旅行者数は99%減と壊滅的な打撃を受けたが、小売売上高は8.5%増と前年を上回る伸びを記録した。コロナの影響を最小限に抑えたことで、内需も回復し、経済成長を支えた。

ベトナムの景気の状況を指標化するNNA CIは、10月まで8カ月連続で上昇し110.5をつけた。これは新型コロナの感染拡大が始まる20年2月のピークの104.9を上回る水準。感染抑制の成果を背景に、ベトナムでは経済の回復が続いている。

景気の方向感を表すNNA DIは、10~12月の3カ月平均で100%をつけた。NNA DIが組み入れている数値では、製造業生産、輸出入、小売販売、株価の各指標のいずれもが、3カ月前と比較して改善を続けていることを表している。21年第1四半期のNNA DIは「快晴」のレンジにあり、コロナショックからの景気の回復が続くことを示唆している。

20年11月には中国が主導する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の署名が完了した。RCEPによるベトナム経済の押し上げ効果は11.5%(214億米ドル=2兆2,200億円)と試算される。ベトナムでは19年に環太平洋連携協定(TPP)が、20年8月には欧州連合(EU)との自由貿易協定(EVFTA)がそれぞれ発効している。東南アジアでこれら3つの枠組み全てに参加しているのはベトナムとシンガポールのみで、ベトナムの存在感はますます高まることが期待される。周辺国に先駆けてEUとのFTAを発効させたことで、海外直接投資(FDI)の流入にもプラスの影響が出ると期待される。アジア開発銀行(ADB)は、ベトナムの21年の成長率を6.3%と予測している。

日本格付研究所 チーフアナリスト 増田 篤

<ベトナム編集部の目>

20年のベトナムの国内総生産(GDP)成長率は、前年比2.91%。新型コロナウイルスの感染者が1,500人ほどにとどまり、下半期(7~12月)は大規模なロックダウンを免れたことで第3四半期は2.69%、第4四半期は4.48%と19年までの勢いに近づきつつある。

20年11月末に市中感染が報告されたことで、国内では第3波の懸念が広がったが、12月初めに数人の感染が確認されてからは市中感染が現在に至るまで出ておらず、国内では楽観的なムードが支配的だ。今後、市中感染が出たとしても短期間で抑え込めるという自信は、政府も国民も持っているのではないか。各国で新型コロナの感染が止まらなければ観光業の本格的な回復は難しいものの、それ以外の産業についてはある程度の回復が見込めそうだ。

国際機関やシンクタンクの多くは、ベトナムの今年の成長率を6%台後半と予想する。ベトナム経済をけん引する輸出は20年3月以降に前年を上回るペースで拡大を続けており、通年でも6.5%増となった。特に、「電子・電子部品」(前年比24.4%増)や「機械・機械設備」(47.8%増)、「木工品」(15.7%増)といった主力の輸出品がコロナ禍にあっても外需を着実に取り込んだ。新型コロナを契機に世界で加速するデジタル・トランスフォーメーション(DX)が、電子機器や部品の特需を生み出しているという見方が強い。鉱工業生産指数(IIP)も9月以降はプラスに転じ、11月は9.2%、12月は9.5%とコロナ前の勢いを取り戻しつつある。

ベトナムは20年12月、最大の輸出先である米国から「為替操作国」に認定されたことで、外需の先行きについては不安がある。バイデン政権が対ベトナムの貿易赤字に対してどのようなスタンスを取るのか、在ベトナムの日系企業にとっても動向を注視する必要がありそうだ。

国内に目を転じると、20年の小売売上高は2.6%増。自動車販売数は前年割れとなったものの、12月には44%増と勢いを戻しつつある。外国人旅行者の回復がほぼ見込めないなか、国内での消費がどの程度伸びるのかが経済全体の勢いを左右していく可能性がある。まずは2月のテト(旧正月)で、国外旅行という選択肢がなくなった消費者が、国内にどれくらいのお金を落とすのかに注目が集まる。ホーチミン市の日系小売業者は、20年の年末商戦では一定の手応えを口にしており、このまま国内での市中感染が出なければ、テト前後の消費はさらに上向くとみられる。

ベトナムでは1月25日から共産党の党大会が開催され、任期5年の新指導部が発足する。最高指導者のグエン・フー・チョン書記長が留任するという見方が強く、各種の政策は現在の路線が引き継がれることもありうる。ベトナムではここ数年、新指導部の発足を見据えて不動産売買の認可や国営企業の株式化(民営化)が滞っていた。「反汚職」キャンペーンでの追及を警戒してのことだが、新指導部の顔ぶれによっては、停滞が続く可能性がある。

NNAベトナム編集長 小堀栄之

<本資料について>

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関連国・地域: ベトナム
関連業種: 自動車・二輪車電機食品・飲料マクロ・統計・その他経済

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