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華南日系、日中ビジネス往来「改善望む」

菅義偉首相は13日、中国など11カ国・地域との間で例外的に認めているビジネス関係者の往来規制緩和措置を一時停止すると表明した。中国側は14日午前時点で日本からのビジネス関係者の渡航規制緩和措置について停止を表明していないが、そもそも中国ではこれまで日本からの短期出張者受け入れの実績はほぼないとみられ、華南地域に進出する日系企業からは運用の改善を求める声が上がっている。【広州・川杉宏行】

日中間のビジネス関係者などを対象とした往来規制の緩和措置は昨年11月30日から始まった。同措置は主に短期出張者向けの「ビジネストラック(ファストトラック)」と駐在員など長期滞在者向けの「レジデンストラック」の枠組みから成る。

在広州日本国総領事館によると、管轄地域内において中国から日本に向かうビジネストラックの利用実績はこれまでに複数件あるという。一方で、広州日本商工会の関係者は14日時点で、日本から華南地域に向かうビジネストラックの利用実績に関する情報は「1件も聞いていない」と明かす。

広東省仏山市の日系企業関係者は昨年末、地元当局にビジネストラックの利用について問い合わせたところ、「2週間の隔離が必要」との説明を受けたという。日本外務省が発表したビジネストラックのスキームによると、中国に到着後2週間は一定の条件を満たせば経済活動が行えるはずだが、仏山市当局は「認められない」との見解を示した。東莞市でも同様に、当局への問い合わせに対して2週間の隔離を求められたとの情報もある。

日本貿易振興機構(ジェトロ)広州事務所が広州、深センの両市政府にビジネストラックの利用について問い合わせたところ、実施に関するルールを整備していないとの回答を受けた。両市政府とも国と国との間の取り決めは承知しているが、実際に受け入れるための明文化した規定を作成しておらず、受け入れ態勢を整えていないと説明している。両市政府は日本の感染状況を注視しており、現時点での受け入れは時期尚早と考えているようだ。

ジェトロ広州事務所の清水顕司所長は、日本から中国に向かうビジネストラックの運用を改善していくためには、中国側はルールを明文化し、日本側は国内感染を抑制する必要があると指摘している。東莞市の日系メーカー関係者は地元当局に対し、「企業に負担がかかりすぎないよう配慮してほしい」と希望している。また別の華南日系企業の駐在員からは「招聘(しょうへい)状を出す基準が明確でない」との声も聞かれた。

■申請検討する動きも

こうした状況下でも、ビジネストラックの利用を模索する動きはある。広州市に進出するある日系メーカーは、工場の設備メンテナンスなどを行う必要に迫られており、日本の設備メーカーから短期出張者の受け入れを検討している。ただビジネストラックの制度的な障壁だけでなく、日本から中国に到着後の隔離期間の宿泊費などコロナの防疫対策で発生した費用はどちらの企業が持つかといった、コロナ以前にはなかった問題が生じているという。

■中国全土でも運用低調

日本から中国に向かうビジネストラックが機能していない状況は、華南地域だけでなく中国全土でも同様のようだ。中国に進出する日系企業で構成する中国日本商会の関係者は、14日時点で日本から中国に向かうビジネストラックの利用実績について、「報告は1件も受けていない」と話す。

中国日本商会では昨年12月、中国各地の日系企業からビジネストラックについての声を集め「要望書」として中国外務省や各省・市政府などに送付し、運用手続きを明確化することなどを求めた。


関連国・地域: 中国-全国日本
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済

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