電子機器商社サンワテクノス(東京都中央区)は21日、マレーシアのペナン州に事務所を開設すると発表した。米中貿易摩擦の影響で中国からの生産移管先として同州の人気が高いことから、半導体装置メーカーを中心に需要取り込みを狙う。
ペナン事務所は、ペナン島南西部のバヤンバル地区に開設する。従業員2人で、来年1月4日に営業を開始する予定だ。日本企業や地場企業に対し、電気・電子(E&E)部品を販売する。マレーシアでは既に、首都クアラルンプールに現地法人があり、今後は同国を南北に分けて新規顧客を開拓していく。
サンワテクノスの管理担当者はNNAに対し、事務所新設の理由として、▽ペナン州は外資を積極誘致しており、半導体や電気・電子メーカーを中心に生産移管が進んでいること▽マレーシア政府が高付加価値製造業を誘致しており、外国企業からの投資が増加していること――を挙げた。
サンワテクノスは2019~21年の第10次中期経営計画で、「新規拠点の開設検討」を柱の一つに掲げている。同管理担当者は、今後はインドへの進出を検討しているが、「新型コロナの影響もあり具体的に進展していない」と述べた。
同社は海外で現在、中国をはじめとするアジア各地に20拠点を展開。うち、東南アジア諸国連合(ASEAN)には、マレーシア、ベトナム、フィリピン、シンガポール、タイ、インドネシアの6カ国に計7拠点を持つ。
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