マレーシアの小農地保有者協会(NASH)によると、同国のゴム農園の半分以上が休眠状態となっている。人手不足で、総面積120万ヘクタールのうち68万3,000ヘクタールが放置されており、2010年の38万760ヘクタールから2倍近くに増えているという。マレーシアン・リザーブが伝えた。
NASHは、マレーシアの天然ゴム主要生産国としての地位は危うくなっていると指摘する。新型コロナウイルス感染症対策の活動制限令の影響で状況はさらに悪化し、20年だけで5万ヘクタールの農地が放置された。
農地の放置で、生産量も大きく減少している。全国の19年のゴム生産は、乾燥ゴムと液体ゴム(ラテックス)を合わせて63万9,830トンと、06年の128万トンから半減した。
NASHのアブドゥル・ハリム・ハッサン理事は、「タイやベトナムなどの安いラテックスが増え、ゴム手袋メーカーなどが原料に使用しているほか、ニトリル(合成ゴム)も増えている」と、天然ゴムが押されている現状を説明した。医療用手袋に使用される天然ゴムと合成ゴムの比率は、11年に58対42と天然ゴム優勢だったが、現在は37対63と逆転しているという。
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