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【20年の10大ニュース】強い逆風を推進力に

新型コロナウイルス感染症と米中貿易摩擦という強い逆風が吹き荒れる中、台湾は悪材料に見えるこの2点をうまく追い風に変えた1年だったと言える。
新型コロナウイルスの域内感染を早くから抑え込んだことで内需が安定した。米中貿易摩擦を受け、台湾の製造業にはハイテクを中心に振り替え受注が舞い込んだ。在宅勤務・学習の普及も電子関連を中心に輸出を押し上げ、台湾が強みとする半導体も受注を大きく増やした。ハイテク全般が押し上げ要因となって、今年の台湾経済は世界で数少ないプラス成長を果たす公算が高い。
年初に行われた台湾総統選で圧勝し、2期目に突入した蔡英文政権は、対中関係の悪化という不安要素を残しながらも、米国との関係接近を新たな経済成長の原動力とする考えで、幸先の良いスタートを切ったように見える。