システム開発大手TIS(東京都新宿区)は、シンガポールでデジタルIDサービスを提供する日系クレディファイ(Credify)と資本業務提携を結んだ。クレディファイが発表した声明によると、今回の提携を通じて東南アジアで協業を進める。TISによるクレディファイへの出資額や出資比率は明らかにしていない。
クレディファイは、日本や東南アジアで銀行、保険会社といった金融事業者向けに、ブロックチェーン(分散型台帳)を活用してデジタルIDや信用評価システムを開発・提供している。顧客獲得コストの低減や不正行為の削減、サービスの信頼性向上に貢献できるシステムという。
具体的には、潜在顧客の情報を入手できる企業向けのプラットフォーム「serviceX」や、個人情報を自分で安全に管理できるエンドユーザー向けの製品「idX」を開発している。
TISの広報担当者はNNAに対し、「クレディファイへの出資を通じ、『serviceX』や『idX』の活用などを検討している」と説明した。東南アジアでの協業については、具体的な内容は協議中という。
クレディファイは2月、シンガポールに本拠を置く日系ベンチャーキャピタル(VC)のビーネクスト(BEENEXT)と、同業ディープコア(東京都文京区)が運営する人工知能(AI)特化VCファンドから計1億円超の資金を調達したと発表していた。今回の資金調達を通じて製品開発をさらに強化する意向だ。
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