オーストラリア政府統計局(ABS)が発表した第3四半期(7~9月)の住宅建設完工高は172億豪ドル(約1兆3,221億円)で、第2四半期の174億豪ドルから1%減少、前年同期比では8.9%減少し、約6年ぶりの低水準となった。新築集合住宅の建設が大きく減退したものの、新型コロナウイルスの流行を受けた消費者の巣ごもり傾向で住宅の改修が急増し、経済を押し上げた。26日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
アナリストは4%減を予想していたため、これに比べると良い結果となった。第2四半期の統計も5.5%減から3.9%減に修正された。
BISオックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミストのファーンリー氏は、6年ぶりの低水準となったのは2018年と19年の住宅建設認可件数の減少を反映していると指摘した。
新築住宅の完工高は1.9%減少した。内訳は集合住宅が6.2%減、戸建住宅が1.1%増。一方で住宅の改修や増築は5.1%増加した。
コモンウェルス銀行(CBA)のエコノミストのクリフトン氏は、今年は改修のための融資が増えており、ABSの統計にも改修活動の堅調さが表れてくると予想していたと説明。ABSのデータは、第3四半期の国内総生産(GDP)で住宅投資部門がやや拡大することを示しているとした。
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