マレーシアの首都クアラルンプール市が、来年10月1日からコンビニエンスストアや雑貨店、食料品店で、ウイスキーなど度数が高いアルコール飲料の販売を禁止することが、賛否両論となっている。華人団体からは見直しを求める声が挙がっている一方、イスラム系政党は規制を支持している。マレーメール(電子版)などが伝えた。
クアラルンプール市役所(DBKL)が発表した酒類販売免許の申請に関する新ガイドラインによれば、コンビニなどが持つ既存の酒類販売免許は来年9月末までしか更新できない。同10月からは酒類の販売を禁止し、ビールやアルコールを含む伝統薬の販売は認めるものの午前7時~午後9時に制限する。ビールはほかの飲料とコーナーを分ける必要がある。
酒類の販売は、レストランやバー、ホテル、スーパーマーケット、ハイパーマーケットなどでは認めるが、警察署、学校、病院、礼拝所の前での営業は認めない。レストランやバーなどでの販売は午前10時~深夜0時に制限し、別に許可を取れば午前2時まで認める。飲酒運転の防止などが目的としている。
野党・民主行動党(DAP)は、文化や信仰の自由を保障する連邦憲法に違反するとし、規制の見直しを求めている。華人団体のクアラルンプール・スランゴール華人会館(KLSCAH)は、新規制は中小企業に打撃を与えるだけでなく、イスラム教以外への非寛容を示し、クアラルンプールの国際都市としてのイメージの悪化つながると批判した。
一方、与党連合の一角、全マレーシア・イスラム党(PAS)は、クアラルンプール市の政策を社会問題の解決につながると歓迎。アルコールの影響は明らかに危険で、宗教(イスラム教)によって強く禁止されているとし、クアラルンプール市は批判を無視すべきだと主張した。
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