日本政府は4日、ベトナムからミャンマーまでを横断する「東西経済回廊」上の橋りょう整備費などとして、ミャンマー政府に計427億7,900万円の円借款を供与すると発表した。中部バゴー管区バゴーと東部モン州チャイトーを結ぶ新たなバイパス上で「新シッタン橋」建設を支援し、東西回廊の物流効率化を後押しする。
在ミャンマー日本大使館の丸山市郎大使と、ミャンマー計画・財務・工業省のマウン・マウン・ウィン副相が同日、2件の円借款についての交換公文に署名した。1件は、新シッタン橋建設と、最大都市を管轄するヤンゴン管区にある技能研修機関の「トゥワナ研究・研修センター」改修のための277億7,900万円。もう1件は、新型コロナウイルスの影響を受けている中小企業の資金繰りを支援するための150億円からなる。いずれも金利は年0.01%。償還期間は40年で、10年の据置期間を含む。調達条件は、一般アンタイド。
バゴー―チャイトー間バイパスは、延長距離60キロメートル余りで、アジア開発銀行(ADB)が道路部分の建設資金を融資。橋りょう部分を日本が円借款で支援する。
また、円借款を用いて、老朽化したトゥワナ研究・研修センターを改修し、技術者育成を図る。ミャンマーでは、道路・橋りょうの維持・管理のための技術者が不足している。
新シッタン橋の完成、研修センターの改修完了とも2026年を予定する。
中小企業の資金繰り支援は、「中小企業金融強化計画」の第3期となる。貸出期間が中長期で、担保条件を緩和した中小企業向け資金を供与するとともに、金融機関の能力強化を支援する。8月にミャンマーを訪れた茂木敏充外相が、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相と会談した際に、供与を表明している。
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