いま国内で最もホットな話題の一つが汚職問題だろう。入国管理局の職員の収賄、フィリピン健康保険公社(フィルヘルス)や公共事業道路省の不正な資金の流れなど、次から次に出てくる。一昔前の方がひどかったとも聞くが、一度構築された「腐敗のシステム」を崩すことは難しいのかもしれない。
ドゥテルテ大統領はテレビ演説のたびに、大半の時間を使って「汚職は完全に排除する」と息巻く。大きい組織なのだから、部下を信じるしかない面もある。だが汚職疑惑は閣僚にもおよび、「まさか」と内心思っているに違いない。
入管職員は中国人への到着ビザ(査証)制度を悪用し、賄賂を受け取って入国の便宜を図っていたとされる。新型コロナウイルス下でも続いているとしたら、感染対策にも影響が出かねない。本当だとしたら、怒り心頭なのはドゥテルテ大統領だけではないだろう。(内)
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