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【NNA景気指数】ベトナム 2020年第4四半期予測

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。
NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。
両指標ともNNAのベトナム経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。
NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。 NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。 両指標ともNNAのベトナム経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。 NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

■景気指数、2月来の高水準に

・「第2波」の沈静化に成功

・EUとのFTA効果表れる

・自動車販売は9月に持ち直す

・雇用環境の変化に注意

<経済アナリストの目>

7月下旬、ベトナムは新型コロナウイルス感染拡大の「第2波」に見舞われた。4月下旬以降、市中感染は報告されていなかったが、7月下旬に市中感染が報告され感染が拡大した。感染者が集中したダナン市では7月28日から1カ月以上にわたり、外出制限を伴う厳格な社会隔離措置が実施された。

第2波発生以前、感染者数は400人ほどにとどまり、死者もゼロに抑え込むことに成功していたが、第2波発生に伴い感染者は9月上旬に1,000人を超え、死者も35人に上り、ホーチミン市当局は8月5日から公共の場でマスクを着用しなかった人を取り締まりの対象とした。こうした迅速な対策が功を奏し、第2波も1カ月ほどで沈静化に成功した。

景気の状況を表すNNA CIは、3カ月連続して上昇した。7月の100.6から9月には104.6まで上昇し、2月に記録したピークの水準を回復した。NNA CIの指標によると、ベトナム経済は4月に底を打った後、7~9月に回復基調が継続したことがうかがえる。

景気の先行きを表すNNA DIは7~9月の平均で88.9%。指標の基準に照らすと「快晴」であり、第4四半期(10~12月)も景気回復が続く見通しだ。ベトナムのNNA DIは記事センチメントを含む6つの経済指標のうち、いくつの指標が3カ月前から改善しているかの比率によって導出される。88.9%という水準は、この3カ月間、DIを構成するほぼすべての指標が改善していることを意味する。6指標の改善方向から見て、ベトナム経済の景気動向は回復を続けるとみられる。

NNAの記事は、ベトナムの経済動向をけん引する重要な動きを伝えている。1~8月の国家歳入は前年同期比8.1%減となった。原油価格の低迷に伴う石油関連税収の減少や政府の納税猶予策が減少原因となっている。このため、今年の財政赤字が想定以上に膨らむ見通しとなり、財務省は国会が承認した公的債務残高の対国内総生産(GDP)比の目標である54.3%を、2~3ポイント引き上げるよう提案する方針と報道されている。第2四半期のGDP成長率は前年同期比0.36%で、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国の中で唯一、プラス成長を維持した。20年の経済成長率は、世銀が2.8% 、ASEANプラス3マクロ経済調査事務局(AMRO)が3.1%と予想しており、ベトナム経済の頑健性が示されている。

日本格付研究所 チーフアナリスト 増田 篤

<ベトナム編集部の目>

ベトナムは第3四半期のGDP成長率が前年同期比2.62%のプラスと、今年に入ってプラス成長を維持している数少ない国の一つ。1~9月の成長率は2.12%で通年でも3%ほどの成長が見込まれており、第4四半期は成長が加速する公算が大きい。

世界的な不況となっていることで、マクロ経済の数値は昨年よりは見劣りするが、7月下旬から始まったベトナム国内での新型コロナウイルス感染症の「第2波」を1カ月ほどで沈静化させることに成功し、国内の雰囲気は楽観的だ。むしろベトナム市場の安全性・安定性を世界にアピールすることにつながっており、「コロナ後」は一層注目が高まるとの論調が根強い。

1~9月の輸出は4.2%増で、貿易黒字は170億米ドル約1兆7,800億円。最大の仕向け先である米国向けが22.9%増、2位の中国向けが12.7%増と好調を維持しており、輸出全体をけん引する。さらに、8月以降で効果が表れてきているのが、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA、EVFTA)だ。商工省によると、ベトナムからEU向けの輸出は、8月が前年同月比2.9%増の37億7,000万米ドル、9月は7.9%増の35億4,000万米ドルとプラスを記録している。10月12日時点での原産地証明の付与数は、環太平洋連携協定(CPTPP)に関連するものよりはるかに多く、同証明に関連した輸出は10億米ドル相当に上る。8~9月に原産地証明が多く付与された品目は、履物や水産物、プラスチック、縫製品、コーヒー、青果などだった。

内需も回復する兆しが出ている。9月の自動車販売数は、前年同月比でほぼ横ばいと、持ち直してきた。1~9月は前年同期比22%減だが、10~12月は単月でプラスに転ずる可能性は高く、通年のマイナス幅は縮小するとみられる。

1~9月の小売売上高は前年同期比0.7%のプラスを維持。観光以外については、国内の消費が持ち直していくことは十分にありうる。ホーチミン市では10月にドラッグストア「マツモトキヨシ」がはじめてオープンし、年内には「MUJI」も1号店が営業開始となる予定。これらの店舗は上半期にオープンする予定だったが、大幅にずれこんだ。消費者にとっても年初からの反動や、旅行向けの支出を年末に向けて集中させることがありうる。

一方、失業率は2.5%で低水準を保っているものの、15~24歳の若年層では7%を超える。国内企業による生産調整や賃金引き下げ、リストラが消費にどの程度影響を与えるのか、第4四半期を見ていく上でのポイントとなる。

NNAベトナム編集長 小堀栄之

<本資料について>

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関連国・地域: ベトナム
関連業種: 自動車・二輪車電機食品・飲料マクロ・統計・その他経済

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