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【韓流新時代】スタジオドラゴン代表「OTTで成長加速」

日本でも大ブームとなった「愛の不時着」や「トッケビ」などのドラマを手掛けた韓国のコンテンツ制作会社スタジオドラゴン。ヒット量産の要因は、メディア事業を手掛けるCJ ENMを母体とする潤沢な資金力や、テレビ局の下請けから脱却した秀逸なコンテンツ制作力だけではなく、急成長する動画配信サービス「オーバー・ザ・トップ(OTT)」が追い風となっている。同社共同代表のカン・チョルグ氏に書面インタビューし、韓国ドラマの強さの秘密に迫った。【中辻淳一】

スタジオドラゴンのカン・チョルグ共同代表(同社提供)

スタジオドラゴンのカン・チョルグ共同代表(同社提供)

■動画配信サービスの発展に期待

――「愛の不時着」が日本でも大きなヒットとなったようだ。制作会社として、世界的な人気の理由についてどう考えるか。

世界中の視聴者が、「北朝鮮の男性と韓国の女性の愛」というドラマの素材や、人気俳優のヒョンビンと人気女優のソン・イェジンの共演というインパクトだけでなく、ドラマに登場するさまざまなキャラクターたちが魅力的で、彼ら一人一人のストーリーにも感情移入できるように作った筋書きもヒットの一役を担った。

特に日本の視聴者からは、主人公の切ない愛に多くの声援を送ってくれたようだ。

――スタジオドラゴンは米動画配信大手ネットフリックスでの独占配信を介して多くの作品を世に送り出している。韓国ドラマにとって、動画配信はどういう役割を担っていくのか。

全世界的にOTTサービスが人気を得ているが、その傾向は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で加速している。KーPOPが動画配信サイト「ユーチューブ」のプラットフォームを介して広がったように、グローバル動画配信サービスが韓国ドラマの世界普及に貢献してくれることを期待している。

■ヒットの条件は「優れたコンテンツ」

――韓国ドラマの強みの一つに制作費の大きさがある。巨額資金を確保できる背景には何があるのか。

視聴者の目はどんどん肥えいく。コンテンツのクオリティーを引き上げるために、ドラマ制作費も年々増加する傾向にあるのは確かだ。既存の放送局を中心とした収益構造から脱却して急成長するグローバルOTTという新たな収益源を得たことは、高額の制作費を賄えるようになった要因の一つといえる。

ただし、制作費を回収して再投資するという好循環を作るための最も重要な条件は、優れたコンテンツを制作することに尽きる。われわれはそのためにも、優秀な脚本家や演出家、プロデューサーの確保に奔走している。

――ほかの制作会社にはないスタジオドラゴンとしての強みは何か。

まず一つ目は、コンテンツの企画・開発から資金調達、配給、プロデュースなど流通に至るまで、全てのプロセスを網羅する韓国最大規模のドラマ制作会社であること。二つ目は、226人に及ぶクリエーターを確保していること。三つ目は、既存の形式にとらわれず、どんなことにもチャレンジできること。それらが支持され、サポートも受け続けていることなどがスタジオドラゴンの強みだ。

――日本のドラマの現状をどう見ているか。日本ドラマと韓国ドラマの違いがあるとすれば、どんな点か。

コンテンツを見る目は、国によって、あるいは人それぞれで大きく異なる。会社のトップという立場として、他国の特定コンテンツを評価するのは避けたいところだ。韓国もウェブ漫画(ウェブトゥーン)の原作の映像化が徐々に増えているが、日本はもともと漫画文化が多様で豊かな点など強みがある。

両国の具体的な違いとなると難しいが、韓国の場合はダイナミックな展開で視聴者を引きつけなければならないため、次の回も見たくなるのはどんな内容かいつも苦心する。

■米などグローバル展開を強化

――今後のグローバル展開としては、どんな戦略を検討しているのか。

スタジオドラゴンはアジアを含めて積極的なグローバル事業戦略を展開しており、完成作の流通から、フォーマット販売、リメーク契約、グローバル事業者との共同制作まで多岐にわたり推進している。

その一例として、米制作会社のスカイダンスと手を組み、韓国で人気を得た「ホテルデルーナ」を米国でTV(テレビ)ドラマシリーズとして共同制作するための企画開発作業を進めている。

将来的には、海外市場でも独自の企画開発、制作、流通、知的財産権(IP)ビジネスなどを展開する計画だ。それに向けて米国支社も設立した。

<スタジオドラゴン>

2016年5月に、CJグループ傘下のメディア大手CJ ENMのドラマ部門が独立して設立された。17年11月には韓国の新興企業向けコスダック市場に上場。「愛の不時着」や「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」のほか、「ミスター・サンシャイン」「サイコだけど大丈夫」「秘密の森~深い闇の向こうに~」などを制作し、いずれもヒットを飛ばしている。


関連国・地域: 韓国
関連業種: メディア・娯楽社会・事件

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