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【韓流新時代】PSYプロデューサー「次はソロで世界一」

BTS(防弾少年団)など海外での快進撃が続くK―POP。米国人歌手ジャスティン・ビーバーのマネジャーであるスクーター・ブラウン氏と手を組んで「江南スタイル」のPSY(サイ)の米国進出をサポートした有名プロデューサーの李奎昌(イ・ギュチャン)氏に、K―POP人気の秘密と今後の可能性について聞いた。

「PSYの米国進出がなければ、BTSの成功もあり得なかっただろう」と話す李氏(NNA撮影)

「PSYの米国進出がなければ、BTSの成功もあり得なかっただろう」と話す李氏(NNA撮影)

――BTSが韓国の歌手で初めて米ビルボードのシングルチャート「ビルボードホット100」で1位を獲得した。

「誇らしい」の一言だ。K―POPの歴史に新たな1ページを刻んだ。「江南スタイル」がビルボード2位でとどまっただけに、トップになることがどれほど偉大なのかを肌身で実感している。しかもBTSはPSYと違って、コンスタントにヒット曲を生み出している。彼らの才能と努力のたまもの以外の何物でもない。

■アイドル管理は「サムスン並み」

――K―POP人気の秘密はどこにあるか。

韓国の芸能事務所は、アイドルを「商品」として徹底して管理している。魅力的なコンテンツを常に提供し続けなければならないという意味では、芸能事務所もサムスン電子や現代自動車などのメーカーと同じだ。

例えば、芸能事務所は韓流アイドルたちに対して、海外ファンと交流できるよう英語や日本語、中国語などの外国語を学ばせたり、インスタグラムなどの会員制交流サイト(SNS)を積極的に活用したりするよう勧めている。

アイドル自身も、SNSに書き込まれたファンからのコメントには全て目を通すなど、自身のイメージ管理に絶えず気を配っている。その中でもBTSは、ブランディングに最も成功した例だと言えるだろう。

■KーPOPにもコロナの脅威

――新型コロナウイルス感染症の拡大は、K―POPにどのような影響を与えたか。

韓国の芸能事務所はオンラインライブで活路を見出そうとしているが、リアルなライブが開催できない状況は経営にとっても痛手となっている。

コロナ禍により経営環境の悪化が進めば、アイドルの淘汰(とうた)も進むだろう。テレビのバラエティー番組やコマーシャル、ドラマに出演できるのはほんの一握りだ。

――BTSが所属するビッグヒットエンターテインメントが、新規株式公開(IPO)を実施して韓国取引所に上場した。

いまは華々しい結果が出ているが、BTSのメンバーもいつかは入隊する。その時に、彼らに代わって、キャッシュを生み出せるアイドルグループが誕生しているという保証もない。この課題を克服できなければ、投資家心理も萎縮していくだろう。

■オンラインライブには限界も

――BTSや日本のサザンオールスターズなどがオンラインライブで、多くの収益を上げた。音楽業界でオンライン配信が新しいビジネスモデルとして確立される可能性はあるか。

短期的にはライブを代替する方法として注目を集めるだろうが、中長的的に見るとライブ並みのキャッシュを生み出すのは難しいのではないか。BTSやサザンオールスターズが成功できたのは、彼らがBTSであり、サザンオールスターズだったからだ。たとえライブ活動が再開できたとしても、コロナ禍前の水準に戻るには相当時間がかかるだろう。

現在はソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保するため、観客は定員の半分に抑えている。チケット価格とコンサートホールの収容人数にもよるが、たとえ定員の5割に達したとしても損益分岐点を超えるのが精一杯だ。

人件費などの固定費は変わらないため、収益を上げるには公演回数を増やすか、チケット代を引き上げるしかなくなる。

■ソロで米ビルボード1位を

――PSYの成功で得た教訓があれば。

PSYは、アジア人として米大リーグで活躍した野茂英雄氏のような存在だった。野茂氏から刺激を受けて、イチロー選手のように多くの日本人選手が大リーグでプレーするようになったように、PSYの米国進出がなければBTSの成功もあり得なかっただろう。

次は、グループではなくソロでビルボード1位になるアーティストが出てくる番だ。マイケル・ジャクソンやビヨンセのようなスターが韓国から生まれることを期待したい。(聞き手=坂部哲生)

<プロフィル>

李奎昌:

韓国系米国人。ソニー傘下のソニー・ピクチャーズエンタテインメントに入社後、「007 カジノロワイヤル」や「ダ・ヴィンチ・コード」などの映画の制作やマーケティング、配給を手掛ける。2009年に同社韓国オフィスに異動。現在は独立し、映画製作会社Kino33 Entertainmentなど複数の会社を運営している。CJエンターテインメントと共同で制作した韓国映画「オペレーション・クロマイト」では、俳優リーアム・ニーソンをマッカーサー役に起用することに成功した。


関連国・地域: 韓国
関連業種: メディア・娯楽

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