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対日衣類輸出の回復に遅れ 8月1割減、春物以降も弱含み

ミャンマーから日本への衣類輸出の回復が遅れている。日本の財務省が発表した貿易統計によれば、8月の輸出額は105億円と前年同月比10%減だった。マイナス幅は7月から9ポイント縮小したものの、水面下が続く。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景に、足元では日本のアパレル市場が冷え込んでいる。2021年春物の需要も低調との見方もあり、ミャンマーへの発注量が戻らず、前年割れが続く恐れがある。

ミャンマーの対日衣類輸出(付属品含む)は、4月まで2桁成長を続けていたが、5月に44%減に急落した。6月に14%減にまで持ち直したものの、7月以降も水面下で推移する。

5月の落ち込みは、ミャンマー側の供給力の低下によるところが大きい。ミャンマーでは、1月後半以降、感染が拡大した中国からの原材料輸入が滞り、操業停止に追い込まれた縫製企業が続出した。さらに、4月のティンジャン(ミャンマー正月)休暇後は、工場での感染予防策の実施状況について事前査察が義務付けられたため、操業再開がずれ込み、供給力が一時的に減少した。

一方、夏場以降の対日輸出の減少は、日本のアパレル市場の不振に原因がある。経済産業省によれば、8月の百貨店・スーパーの販売額は前年同月比1%減だが、衣料品に限れば20%減。8月の衣類の総輸入額は2,521億円で、前年同月比22%減だった。主要な輸入元では、中国が27%減の1,353億円、ベトナムも11%減の408億円にとどまる。他国も新型コロナの影響を受けているが、ミャンマーは4月まで好調だっただけに他国よりも落差が大きい。

■現地工場は受注減

日本への衣類輸出は、しばらくは前年割れが続く恐れがある。ミャンマーの縫製業界に詳しい日本繊維輸入組合の藤田誠フェローは「ミャンマーでは、日本からの春物以降の受注が、相当減っているようだ」と語る。11月以降の日本の輸入実績に影響が出てくると予測する。

イオンは、グループの行動指針にのっとり、20年度上半期(3~8月)の調達は、コロナ禍にあっても事前の発注分をキャンセルせず、ミャンマーからの衣類も、前年と同水準を輸入した。イオングループで輸入品の調達を管理するイオントップバリュの小林幸弘管理本部長付によれば、ミャンマーは「アパレル用品の重要な供給国」。デニムやチノパン、シャツといったカジュアル衣料品の買い付けを増やしてきたが、「下半期(9~2月)は、前年並みには発注していない」と明かす。高級ブランドと異なり急減することはないものの、中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)からの衣料品の輸入が、ある程度は減少しそうだという。

このところのミャンマーでの感染拡大も懸念材料だ。最大都市を抱えるヤンゴン管区では市中感染のまん延を受け、CMP(裁断・縫製・梱包)受託方式による縫製工場の従業員の出勤が9月24日から禁止された。出勤禁止は10月7日までだが、感染が収束しなければ延長される懸念もあり、生産への打撃は避けられない。


関連国・地域: ミャンマー日本
関連業種: 医療・医薬品繊維マクロ・統計・その他経済

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