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富士フイルム、印製薬にアビガンの権利付与

富士フイルム富山化学が開発し、日本や米国で新型コロナ患者への臨床試験が実施されている「アビガン」(富士フイルムホールディングス提供)

富士フイルム富山化学が開発し、日本や米国で新型コロナ患者への臨床試験が実施されている「アビガン」(富士フイルムホールディングス提供)

富士フイルムは1日、インドの製薬大手ドクター・レディーズ・ラボラトリーズなどに対し、新型コロナウイルスの治療薬として期待される日本の新型インフルエンザ薬「アビガン」を日本国外で開発・製造・販売する権利を独占的に付与すると発表した。新型コロナの感染拡大後に、アビガンのライセンスが付与されるのは初めて。新型コロナの治療薬としての需要の高まりを受け、製造の加速と世界的な供給体制の構築を図る。

6月30日に富士フイルム子会社の富士フイルム富山化学、ドクター・レディーズ、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点に医療物資や医薬品を提供するグローバル・レスポンス・エイド(GRA)の3社でライセンス契約を締結。中国とロシアを除く日本国外での開発・製造・販売に関するライセンスを付与する。製造権を付与するのはドクター・レディーズのみ。2社から受領する契約一時金や販売ロイヤルティーの額は非開示。

富士フイルムは非臨床試験や臨床試験などのデータを両社に提供する。ドクター・レディーズはインド、GRAはクウェートでの販売に向け、提供を受けたデータを活用しながら、速やかに現地で新型コロナ患者に対する臨床試験を開始する計画だ。治験薬は、富士フイルムが日本で生産したアビガンを提供する。販売に向けては、臨床試験で安全性を確認後に現地で当局の承認を得る必要がある。

製造権を付与するドクター・レディーズに対しては、富士フイルムが保有するアビガンの製剤・製法特許を供与し、同一品質の薬剤を製造する技術移転を実施。ドクター・レディーズがインドのほか、米国とメキシコに持つ製造拠点でアビガンを生産する。

ドクター・レディーズと提携した理由について、富士フイルムホールディングスの広報担当者はNNAに対し、「大量生産が可能な世界的な生産体制を持っており、欧米の事業比率が高いなどインドだけでなく世界的に製品を展開している」と説明した。ドクター・レディーズが製造したアビガンは、インドやクウェートなど日本国外で販売する。

ドクター・レディーズは南部ハイデラバードに本社を置く。インド国内では南部テランガナ州のほか、アンドラプラデシュ州、北部ヒマチャルプラデシュ州に工場を持つ。2019/20年度(19年4月~20年3月)の連結決算は、売上高が13%増の1,746億ルピー(約2,483億円)、純利益が4%増の194億9,800万ルピーだった。売上高のうち、北米事業が37%、欧州事業が7%、インド事業が17%を占める。


関連国・地域: インド日本中東
関連業種: 医療・医薬品

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