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制限令が「回復期」に移行 8月末まで、入国禁止は継続

マレーシアのムヒディン首相は7日、新型コロナウイルス感染症対策として実施してきた活動制限令を、今月10日以降は「回復期」に移行すると発表した。適用期間は8月末まで。新型コロナ対策の標準作業手順書(SOP)の順守を前提に、学校を含むほとんど全ての経済・社会活動を正常化していく。ただ、国民の海外渡航と外国人の入国は原則禁止を続ける。

ムヒディン首相は7日のテレビ演説で、国内でマレーシア人の間での新型コロナ感染が抑制され、「(新型コロナの感染拡大からの)回復期に入った」とした上で、「今月9日で条件付き活動制限令を終了し、10日から回復活動制限令に置き換える」と発表した。5月4日からの条件付き活動制限令を含め、3月18日から実施してきた活動制限令の出口戦略の一部になるという。

引き続き企業、国民による新型コロナ対策のSOPの厳格な順守を前提に、規制を緩和し、学校や宗教施設での集団礼拝などを含む、経済・社会活動を開放していく。

許可するのは、▽州をまたぐ移動▽マレーシア人の帰国者に対する(政府指定施設ではない)自宅での隔離措置▽会議・ワークショップ▽通常の操業時間の適用▽国内観光▽理髪店・美容室の営業――など。一方、▽海外旅行▽パブ、カラオケ、娯楽施設などの営業▽ラグビーやサッカーなど接触機会が多い競技▽スタジアムでのスポーツ観戦▽大規模な宗教集会――などは禁止措置を継続する。また、▽段階的な教育機関の再開▽人数制限を設けたモスク(イスラム教の礼拝所)での礼拝――に向け、政府は協議中と説明した。

日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所の小野沢麻衣所長はNNAに対し、「州をまたぐ移動の制限が解除されたことは、ビジネスの促進を後押しする」と話した。州を問わず、技術者などは現場での作業や事業に携わることができるようになる。ただ、回復活動制限令で経済活動がさらに幅広く開放されるといっても、「各業種で順守すべきSOPが残っているため、大きな経済効果が期待できるとは言い難い」と指摘した。

ムヒディン氏によると、回復活動制限令は戦略の柱として、▽公衆衛生の強化▽法の整備と施行▽国境管理の強化▽経済活動の完全開放▽新しい習慣の浸透▽コミュニティーの責任強化▽感染リスクが高い高齢者などの保護――の7つを据える。7戦略は、国レベルではイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(治安担当)兼国防相が議長を務め、各省庁の閣僚が参加する特別委員会が、州レベルでは州首相が設置した委員会が主導する。

■入国制限緩和は省庁間で協議中

活動制限令が回復期に向けて動き出す中、在マレーシア日系企業にとって、国境を越えたヒトの移動への制限がいつ緩和されるのかが焦点の一つになっている。マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は2日、ジェトロ・クアラルンプール事務所と連名でマレーシア政府に対し、ビジネス目的の人員およびその家族を対象に入国制限の段階的な緩和を求める要望書を送った。

文書の送付先は、ムヒディン首相が主宰する経済行動評議会(EAC)と貿易産業省(MITI)、MITI傘下のマレーシア投資開発庁(MIDA)の3機関。入国制限の緩和は、新型コロナ対策で弊害が生じているマレーシアのサプライチェーンや投資環境をいち早く復旧することにつながるとの見解で、日本人の入国待機者に関するデータや情報も合わせて送付した。

MITI側は2日、主に各国の大使館や商工会向けに開いた説明会で、「『(重要な)エッセンシャル業種』で、長期滞在・就労のための雇用パス(EP)と、機械設置・研修など短期就労のためのプロフェッショナル・ビジット・パス(PVP)を保有する駐在員を対象に緩和する方針」を示した。MITIは一方で、保健省や入国管理局に対し「エッセンシャル業種の定義」を明確化するよう求めているなど、まだ関連省庁間で具体的な枠組みはまとまっていない。

ジェトロの小野沢所長は「MITIは今回、(入国制限の緩和に向け)方向性を説明した」とみている。

ジェトロ・クアラルンプール事務所とJACTIMが5月半ばに実施した調査によると、約400人の日本人駐在員や帯同家族が渡航できない状況にあるという。


関連国・地域: マレーシア
関連業種: 医療・医薬品運輸サービス観光メディア・娯楽マクロ・統計・その他経済政治社会・事件

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