ザキル・ナイク氏に対するデモ集会のうわさに、インド人街にあるテニス教室が休講となった。デモは与党議員が呼び掛け、ヒンズー教徒が多数を占めるインド系の地域住民が参加するといい、背景に宗教と民族、政治が絡んだ複雑なものだった。
ナイク氏はインド出身の強硬なイスラム思想の説教師として知られ、マレーシアの永住権を持つ。演説での非ムスリムに対する差別発言がデモの引き金となり、多民族国家で民族間の相互干渉に敏感なマレーシアの国民が反応した。
マレー系マレーシア人のテニス仲間は普段からは想像できないほどの剣幕で「国外追放すべきだ」と息巻き、「マハティール首相は見過ごすのか」と矛先を政権に向けた。デモは所属政党の総裁が議員を説得し中止となったが、デモ自体が「フェイクニュース」と報道され、この国を考え続けた週末だった。(丑)
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。