ベトナム・ホーチミン市で17日、電気機器の展示会「ベトナムETE2019」が開幕した。日本からは、東京都中小企業振興公社が初出展。電力インフラの強化を目指すベトナムの支援サービスなどで、市場開拓を目指す中小企業の姿があった。
「新興国の『日常』を支えたい」。エコグッズを手掛けるランドポート(東京都千代田区)の川添裕史副社長は、ソーラーランタン「キャリー・ザ・サン」の需要開拓に意欲を示す。折りたためて軽量・防水のランタンで、日本ではアウトドア用やインテリア用として人気がある。アジアで無電化地域が多く、洪水も頻発する中、照明ソリューションのひとつとして普及させたい考えだ。
新興国向けには、小型サイズを一般消費者向けに売り込んでいく。日本では最長点灯時間が72時間の商品が人気だが、ソーラーパネルをより小さくすることで価格を抑え、持ち運びやすいようにする。1個約1,500円を想定しており、各国の販売代理店の確保を目指す。
環境機器・コーティング事業を手掛けるシステムブレイン(同新宿区)は、独自のナノ技術によるガラスコーティング「ナノシャイン」を売り込む。化学薬品を使わず、水道水を複合体セラミック内蔵装置に通過させ、「シャワーのようにかけるだけ」(前田和哉主任)でガラス質のシールド膜を形成させる技術。洗浄システムと合わせ、太陽光発電所や自動車、鉄道設備などで技術を生かしていきたい考えだ。
前田氏は「コーティングは『塗る』というイメージがあるが、ナノシャインではホースから『流す』もので、作業時間を大きく短縮できる」と話す。1メガワット(MW)のメガソーラーでも、作業員3~4人で3~5日で洗浄とコーティングを完了できる。発電効率は毎年2%ほど落ちていくが、汚れによりさらに効率が低下するのを防ぐことができる。すでに中国では受注実績があり、ベトナムでも商談を進めている。
東京都中小企業振興公社がとりまとめるブースには、都内の10社が出展。ベトナムETE2019は、ホーチミン市7区のサイゴン展示会議センター(SECC)で20日まで開催される。
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