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【アジアで会う】李浩鎭さん 済州航空キャビンアテンダント 第254回 日本語で掴んだ夢(韓国)

イ・ホジン 1988年生まれ。ソウル市出身。中学1年生から日本語を学び始め、早い時期から「日本語で生きていく」という決意をする。高校ではホームステイの交流プログラムで、大学では交換留学で日本に滞在。キャビンアテンダント(CA)になることを志すようになる。CAの採用試験を受ける一方、航空業界の仕事に触れるために成田空港の地上職でも経験を積む。2018年2月、4度目の挑戦で済州航空のCAに採用され、アジアの空で活躍中。

イ・ホジンさんは、LCC最大手・済州航空で活躍する新人のキャビンアテンダント(CA)だ。日本やタイ、フィリピンなどアジア中を飛び回る。忙しい合間にインタビューに応じてくれたホジンさんは、「今日は暑いですね」と外国人とは思えないほど流ちょうな日本語で、これまでの人生と日本語への思い入れについて語ってくれた。

■「日本語で生きる」と決めた青春時代

ホジンさんが、日本語を学び始めたのは中学1年生の時。韓国の教育指針が変更されたことで、ちょうど日本語の授業ができたという。「スタートラインが同じだから、(勉強に)後れを取ることがないと思った」そうだ。そう考えたのには、理由がある。

「元々サッカー選手になりたかったんです。勉強はせずサッカーばかりでしたので、中学校では他の生徒よりも勉強が苦手でした」と当時を振り返る。韓国ではスポーツ選手になるには、幼少の頃から英才教育を受けなければならず、勉強は二の次だ。

そのようないきさつで日本語に出会ったホジンさんだが、時間が経つにつれて日本語の面白さを感じていったという。両親の「やりたいことがあればサポートする」という言葉もあり、中学3年生から日本語塾に通い始める。そこで、ホジンさんに希望を与えるある広告を見た。

「『日本語能力試験の2級があれば、ソウルの名門大学に入学できる』という広告でした。勉強が苦手な自分にとっては、とても夢みたいな話でしたね。日本語を武器に生きていこうと心に決めました」と、ホジンさんは笑いながら話した。高校時代には、日本語の先生が大分県の教師と交流があったこともあり、ホームステイの交流プログラムにも参加した。

ところが、ホジンさんが大学入試を受ける頃には日本語学習者も急速に増え、誰もが「日本語能力試験2級」を持っているのが当たり前になっていた。ホジンさんは上級の1級を取得していたが、それでも「留学組には敵わなかった」という。厳しい現実を突き付けられ、志願した大学は全滅。二浪の末、地方の大学の日本語学科に進学する。

■4度目で掴んだ夢

大学4年になると、「就職」の2文字が現実問題として重くのしかかる。韓国では景気低迷による就職難が年を追うごとに深刻化していた。「自分の特技はやはり日本語。何をやりたいか考えた時にこれだと思った職業がCAだった」そうだ。

初めてCAの試験を受けたのは、16年5月のこと。「初めてでしたが、書類審査を通過し、1次面接にも受かったんです」と、ホジンさん。しかし、最終面接では「初なのに通った」という喜びの反面、「これさえ通過すればCAになれる」という精神的プレッシャーから質問にうまく答えられなかったそうだ。「結局落ちてしまいましたが、自分にもチャンスがあるという希望を持ちました」。ホジンさんは、その後も募集がある度に応募。2回目は書類審査を通過するも、1次面接で脱落。17年の3回目は再び最終面接までいくが、ここでも最後の壁を越えられなかった。

何かが足りないと考えたホジンさんは、ある決心をする。「新しい活動をしなければ、同じ履歴書を何度も出すことになってしまいますから、日本で一度就職することにしました」。それで航空業界に関わる仕事がしたいと考え、成田空港で地上職を手掛ける企業に就職した。「結果的に、これがとてもいい経験になった」と話す。

就職から間もなく、4度目の機会が訪れる。志願したのは済州航空と大韓航空。大韓航空は1次面接で落ちてしまうも、済州航空はまた最終面接にこぎつけた。「気持ちの持ち方が違いました。それまでは『CAになる』という考えしかありませんでしたが、この時は『落ちたとしても別の生き方がある』と考えていたからです。日本での就職が効きましたね。気持ちが軽くなり、面接も正直に答えることができました」。18年2月、ホジンさんは4度目の挑戦にして、CAという夢を掴み取る。

■できるだけ長く空を飛びたい

LCCのCAの中には、フルサービスキャリア(FSC)へのステップとして就職する人も少なくない。ホジンさんにもそのような考えがあるのか尋ねると、「まだ入社して2年目に入ったばかりですし、4度も挑戦してようやく入社できましたから、また厳しい競争に身を置きたいとは思いませんね」と、笑いながら答えてくれた。

なによりも、今の仕事がとても楽しく、それが人生の原動力になっているという。「今の会社に愛着がありますし、できるだけ長くここで働きたい」。諦めずにつかんだ夢と一緒に、ホジンさんは今日もアジアのどこかの空を飛んでいる。(韓国編集部=清水岳志)


関連国・地域: 韓国
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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