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九州半導体協、SIPOと日台企業連携でMOU

九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会(SIIQ、福岡市博多区)は23日、台湾のスマートエレクトロニクス産業を推進する経済部(経済産業省)工業局智慧電子産業計画推動弁公室(SIPO)と、日台の半導体企業のビジネスマッチングなどに関する覚書(MOU)を締結した。SIIQが政府レベルの機関とMOUを結ぶのは初めて。台湾企業との連携を進め、サプライチェーンを補完するなど相互ビジネスの拡大を狙う。

MOU締結式典に臨むSIPOの張世傑主任(左)とSIIQの牧野豊氏=23日、台北(NNA撮影)

MOU締結式典に臨むSIPOの張世傑主任(左)とSIIQの牧野豊氏=23日、台北(NNA撮影)

SIIQの担当者によると、昨年台湾で開かれた半導体の製造装置や材料の見本市「国際半導体展(セミコン台湾)」出展に合わせ、SIIQが工業局の管轄で日本との産業間連携を推進する窓口機関である台日産業合作推動弁公室(TJPO)とSIPOを訪問したことから、今回の締結に至ったという。

今後は、商談会などの交流事業を行うほか、台湾に進出している九州企業のニーズに合わせて、台湾企業とのマッチングを図り、日台企業の協業を推し進める考え。

SIIQの担当者はNNAに対し、「九州の半導体生産設備企業が部品供給でひっ迫した際に、台湾企業に供給してもらうなど、九州地域のみで完結できないサプライチェーンを台湾企業との連携で補うことができる」と、台湾企業との協業に期待を示した。

■半導体生産設備に強み

経済産業省九州経済産業局のデータによると、九州の集積回路(IC)の2018年の生産額(速報値)は前年比2.2%減の7,107億5,000万円。過去14年を見ると07年(1兆3,200億円)をピークに1兆円を割り込み、直近3年は7,000億円台を推移している。

輸出を見ると、17年に半導体電子部品の輸出額が前年比27.0%増の8,360億円。うち台湾向けは全体の4.6%を占めた。また、半導体電子部品の輸入額は15.8%増の2,855億円。うち台湾からが最も多く全体の70.9%を占めている。

一方、台湾政府系シンクタンクの工業技術研究院(工研院、ITRI)傘下でハイテク産業の分析を手掛ける産業科技国際策略発展所によると、台湾の18年の半導体産業の生産額は、前年比6.4%増の2兆6,199億台湾元(約9兆1,500億円)。直近5年は2兆元台をプラス成長で推移している。

SIIQの統括コーディネーターを務める牧野豊氏は、「台湾は半導体のファブレス(工場を所有しない)、ファンドリー(半導体の受託製造)分野では非常に強い」と分析する。ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を筆頭に、世界の半導体ファブレス企業との強いパイプ作りに成功し、高い収益性を新規投資に充ててダイナミックに展開する力は世界一だとみている。

一方で、九州は半導体生産設備分野に強みがある。半導体生産設備の大手企業が拠点を有し、またその開発を支える幅広い中小企業がサプライチェーンを構築している。牧野氏は、「九州の半導体デバイス製造企業と半導体生産設備企業が連携して取り組む環境やネットワークが強みだ」と強調する。

SIIQは、九州地域における半導体関連産業の振興などを目的として02年に設立。九州の企業170社のほか、大学や自治体、産業支援機関など約200社・団体が加盟している。近年は、海外販路開拓や海外とのアライアンス形成に注力。13年11月には、ベトナム・ホーチミン市半導体協会(HSIA)との間で、ベトナム国内の半導体産業振興に関するMOUを締結した。

牧野氏は、「これからの九州の半導体・エレクトロニクス関連企業の発展のためには、グローバル市場の開拓が重要。九州単独の取り組みだけでなく、海外の企業・団体と連携していきたい」と力を込めた。


関連国・地域: 台湾日本
関連業種: その他製造IT・通信マクロ・統計・その他経済

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