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【アジアで会う】ユリー・ハンダヤニさん 皮革製品店「Aziroo」オーナー 第252回 日本人に大人気、ヘビ皮おばさん(インドネシア)

ユリー・ハンダヤニ 1957年生まれ。出身はスカルノ初代大統領と同じ東ジャワ州ブリタール県。眼鏡の奥からのぞく優しい目元と柔らかな物腰が印象的だ。ユリーさんは86年に仕事の都合で首都ジャカルタ郊外の西ジャワ州ブカシに移り住み、自宅を店舗としてヘビなどを中心とした革製品を製造・販売している。店の名前は「Aziroo」。多くの日本人が足を運ぶ革製品専門店だ。

首都圏に住む日本人駐在員や駐在員妻たちには「ヘビ革おばさん」の愛称で親しまれている。特に人気なのはゴルフのスコアカードケース。14万~25万ルピア(約1,000~1,900円)と値段も手頃だ。休日、ゴルフ場に向かう途中で店に立ち寄っていく人も少なくない。

店を始めたのは、ゴルフグローブ用の羊革加工工場で働いている夫が、品質が低いため廃棄していた皮革を自宅に持ち帰ってきたことがきっかけ。何かに有効利用できないかと考えたユリーさんは、趣味で小物作りを始めた。初めのうちは知り合いに分けていたが、次第に欲しいという人が増え、羊革に加えヤギ革やヘビ革も使って作品を作るようになり、自宅の一部を店舗にして販売を始めた。

現在扱っているのは、アナコンダ、コブラ、オオトカゲ、ウミヘビ、ミズヘビの5種類。かばんや財布、キーケース、サンダルなど、多様な商品を製造・販売している。自宅近くにある敷地面積約250平方メートルの土地に建てた作業場で15人の従業員が働く。また出身地のブリタールでも実家で親戚や近所の人を対象にワークショップを行っており、そこで作られた製品もジャカルタに出荷している。

■客層の大半が日本人

ユリーさんによると、以前は欧米人の客が多かったが、日系企業の進出が増え、5年ほど前からは客層の9割を日本人が占めるようになった。近年は特に工業団地周辺に住む日本人駐在員やその家族も多くなり、平日も日本人の奥さまグループが足しげく通ってくれるようになったという。「ジャカルタ市内にも売りに来てほしい」という依頼が多く、10人以上集まることを条件に出張販売サービスも実施。ほぼ毎日ジャカルタへ商品を運んでいる。

「ヘビは少し不気味なイメージがあるせいか、インドネシア人の人気はさほど高くない」と話すユリーさん。しかし、日本や中国ではヘビ革の財布を使うとお金がたまると信じられており、縁起が良い。日本で買うよりもずっと安く手に入るため、帰国時のお土産用に大量購入する人も多いと語った。

■目標は国外輸出

ターゲットは日本人を中心とした外国人であるため、国内で販売する分は現在の施設設備、生産規模で問題ないと話すが、ゆくゆくは海外輸出や、作業場の拡張も考えている。ただ、日本への輸出はあまり乗り気でないという。ユリーさんは以前、顧客だった日本人のあっせんで2年間ほど製品を日本へ輸出、当時国内で販売していた値段の10倍近い額で取引されていた。しかし、傷や汚れに対して店の審査が厳しく、7割ほどは販売してもらえなかった。「いくら高値がついてもほとんどが返品されてしまうのでは、手間や労力に見合わない。以前ニューヨークへジャケットを輸出していたこともあるので、まずは輸出先として欧米を検討したい」と話した。(インドネシア版編集・高越咲希)


関連国・地域: インドネシア
関連業種: 繊維その他製造社会・事件

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