最近、香港では上空から物がよく落ちてくる。香港島のとある繁華街を夜歩いていると、目と鼻の先の1メートル前に何かが降ってきた。鳥のフンかと思いきや、人のつばだ。上をにらむと、歩道にせり出した住宅から無数の灯りが見えた。二十数年前に住んでいた中国の地方都市でも同じことがあったな。そう思いつつ、足早に立ち去った。
今年に入ってからは落下物によって真下の通行人に被害が出る事故が相次ぎ、商業施設の窓が落ちて、女性が亡くなる痛ましい事故も起こった。確率の問題だけで、まるで人ごとではない。
錆びたエアコン室外機や古びた大小の看板、洗濯物に、壁にはひび割れたコンクリート。昔ながらの住宅街を中心に歩道沿いには凶器になり得るものが真上にびっしりと控えている。深く考えれば胸が悪くなりそうだが、考えれば道は歩けない。毎日が運試しなのだろうか。(崇)
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。