シンガポールの水道庁に当たるPUBは29日、国家環境庁(NEA)と共同で汚泥と食品廃棄物を一緒に分解し、バイオガスを生成する技術を開発したと発表した。
PUBとNEAは2016年12月、中西部ウルパンダンにある水再生プラント内の実証施設に食品廃棄物を集め、排水処理で発生した汚泥と一緒に分解する技術の試験開発に着手した。実証施設では、学校や国軍キャンプ、食品会社など国内23カ所から集めた食品廃棄物と汚泥を1日当たり最大40トン処理する試験を実施。嫌気性消化法(酸素との接触を断ち、嫌気性細菌から分泌される酵素の働きだけで有機物を消化すること)で分解してバイオガスを生成することに成功した。食品廃棄物と汚泥を合わせて分解・処理することで、別々に分解するよりもバイオガス発生量が最大40%増えたという。
PUBの担当者は実証試験の結果について、「水再生プラントでのエネルギー自給率を高めることができるほか、食品廃棄物と汚泥の処理も1カ所で対応できる」と話した。今回開発した技術は、西部トゥアスで25年に完成予定の工業用水・廃棄物処理の複合施設「トゥアス・ネクサス」に導入される予定だ。
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